Eerolla on asiaa
フィンランド出身国際交流員による、フィンランドや邑南町の話
■究極の水風呂「アヴァント」
サウナの本場と呼ばれるフィンランドでは、氷が張った海や湖に穴を開けてつかる「アヴァント入浴」も人気です。この入浴方法は、サウナで温まった後、アヴァント=穴(直径約5メートル)に入って、15秒から1分間つかるというものです。水温は約1〜4℃で、ゆっくり泳ぐこともあります。
短時間なので風邪をひくリスクはありません。逆にアヴァントを利用した多くの人は、アヴァントのおかげで免疫力が高まり、冬に風邪を引かなくなったと言っています。
■健康効果とチャレンジ精神⁈
アヴァント入浴は心身の健康にとって様々な効果があります。例えば、血流がよくなり、身体の様々な痛みが緩和され、耐寒力が高くなり、ストレスが減る可能性が高いという効果はよく挙げられています。
多くの人がアヴァント入浴を続ける理由は健康のためです。しかし、アヴァント入浴は極端な寒さを乗り越えるというイメージも強く、多くの人にとってアヴァントの初体験は自分への挑戦なのではないかと私は思います。
■母のアヴァント体験談
私の母親は24年間アヴァント入浴をしています。きっかけは血流をよくするなど健康のためで、仲間に「何も考えずに入るのだ」と促され、暖房もない更衣室からアヴァントに入ったそうです。
そのとき初めて身体全体が暖かくスッキリした感覚を体験し、今でもアヴァント入浴を続けています。スッキリした感覚は気分も良くなり、アヴァントから帰ると父が「なんだか機嫌がいいな」と言っていたそうです。
以前はサウナに入らずアヴァントだけに入ることのほうが多かったのですが、現在はアヴァントの隣にサウナがあるので、サウナとアヴァントを交互に4回くらい入っています。
毎週月、木曜日は午後4〜8時に村のサウナ番で、住民の誰もが入浴できます。「素敵な入浴コミュニティができて嬉しい」と母は言っています。
私もアヴァントに何度も入ったことがありますし、機会がある度に入ります。初めて入ったのは12歳。「入ったら5ユーロ(当時約700円)あげる」と母に言われ、3回入ってハマりました。
今は日本のお湯とサウナに入るときも、必ず水風呂に入って、身体を30秒くらい冷やします。寒暖差でサウナとお湯の効果が実感でき、何回も入って楽しんでいます。
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