■邑南町内で神紅出荷式が開催
邑南町産の「神紅」の出荷が8月中旬に始まりました。8月22日には、集出荷場(原村)で出荷式もあり、生産者や関係者ら約30人が参加し、出荷直前の神紅の出来栄えを確認しながら、無事な出荷と売れ行きに期待を込めました。
当日出荷したのは、36箱(約140kg)で、「島根おおちぶどう部会」のメンバーが、神紅の品質基準にもとづいて、房の形や色味等を真剣な表情でチェック。糖度の検査では基準の20度を上回る結果に、関係者からは笑顔がこぼれていました。
出荷は9月前半まで、県内や関西方面等の市場に向けて出荷します。島根おおちぶどう部会の三田誠部会長は「おいしいブドウに仕上がったと思う。皆さんに食べて頂けたらと思います」と語りました。
■丸山達也県知事に出来栄えを報告
町内の神紅生産者が8月23日に、丸山達也県知事のもとを訪れ、生産の近況を報告し、町内産神紅を試食してもらいました。
新規就農者の福原克理さんから、町内の生産状況等について説明を受け、実際に試食した丸山知事は、「(紅茶の)アールグレイのような香りでとてもおいしい」と感想を述べられました。
■石橋町長にも報告
8月28日には、石橋良治町長のもとを、おーなんアグサポ隊の研修生が訪問し、今年の神紅の出来栄えを報告しました。
今年は色づきがよく、非常に甘い仕上がりとなっており、試食した石橋町長も「非常に甘くてとてもおいしい」と、太鼓判を押しました。
■神紅って?
赤色系ブドウ「ベニバラード」とシャインマスカットを交配した品種。鮮やかな紅色、シャインマスカット以上といわれる高い糖度に、皮ごと食べられるのが特徴です。販売価格は1房あたり5千~1万円程度です。
神紅として出荷できる基準は厳しく、1粒10グラム以上で、糖度は20度以上。さらに、色や房の形状についても厳格な基準があり、4等級に分けられます。
■邑南町でのうごき
島根県が開発したブドウ品種「神紅」は、邑南町では2020年から栽培を開始しました。栽培面積を毎年拡大し、現在は合計306アールと、栽培面積としては県内最大で、県全体の約6割を占める程です。栽培技術と品質も年々向上し、今後、農業所得向上の鍵となる作物として注目されています。
また今年5月には、14法人・個人が集まり「島根おおちぶどう部会」を設立。生産者同士の連携を強化することで、品質向上や出荷販売の拡大につなげる狙いです。
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