文字サイズ
自治体の皆さまへ

雲南病院だより

7/32

島根県雲南市

■「かすり傷の処置」
外科診療科部長 成田公昌(なりたきみまさ)

夏を迎えるにあたり外出の機会も増え、かすり傷などのごく軽いけがをする機会も増えてきます。皆さんはかすり傷を負ったときどのように対処していますか。
病院で、実際に行っているヒミツのやり方を教えますので、ぜひ実践してみてください。
わざわざ病院に行かなくても病院と同じ処置がおうちでもできますよ。

ポイントは(1)傷を洗う、(2)きれいにした状態で傷を覆うの2つです。

(1)傷を洗う
かすり傷はまず水道水でよく洗うことです。ココが一番大事なポイントです。
痛いし、しみるので病院に行けばもっといいやり方があるかなと思われるかもしれません。しかし、病院に来ていただいても、実は同じで、自身で病院の水道で傷を洗っていただくのです。
繰り返しになりますが、コツはよく洗うことです。ちょっと水をつける程度でなく、水を流しながら手などでこすって洗います。せっけんはつけなくていいです。泥で汚れているときはガーゼなどの布で軽くこすりながら流すと汚れが取れやすいです。
洗い終わったらきれいな布(ガーゼなど)でそっと水気を取ります。
この後、消毒薬があれば付けていただいても結構です。

(2)きれいにした状態で傷を覆う
昔は傷は乾燥させる方がいいと言われていました。
確かにかさぶたができるとその下で傷が治るので乾いた方がいいと思われがちですが、数十年前から傷は湿った環境の方が治りがいいということが常識になっています。
一番いいのはモイストヒーリングパッド(ハイドロコロイド)など皮膚の湿度を保つことができる専用の素材で傷を覆うことです(キズ〇〇〇パッドなどの、肌色でゴムのような手触りのものです)。
昔のようにガーゼだけで直接傷を覆うと、傷が乾燥し、ガーゼが傷にくっつきますのでこのやり方はあまり行われていません。
医療保険制度ではガーゼなど傷を覆うもの(創傷被覆材といいます)は処方の対象となっていません(持ち帰ってもらうことはできないということです)。最近のドラッグストアに傷を覆う進化型ばんそうこうがたくさん置かれるようになったのはそのためです。ドラッグストアなどで相談の上、良さそうな被覆材を購入し、傷に当ててください。

(3)傷が化膿したら
以上でほとんどの方のかすり傷は治っていきますが、洗い方が不十分で傷にたくさんのばい菌が残ってしまったり、体の抵抗力が落ちている場合などは、傷が化膿することがあります。
そのような場合は病院の外来で見てもらうのが良いでしょう。傷が化膿したときは、治るのに時間がかかったり、ばい菌をやっつけるお薬を飲んだりする必要があります。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU