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菅谷たたら山内フルオープン~保存修理工事が完了しました!~

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島根県雲南市

菅谷たたら山内(吉田町吉田)は、昭和42年に国の重要有形民俗文化財に指定され、平成28年に日本遺産「出雲國(いずものくに)たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~」の構成文化財に指定されている貴重な文化遺産です。江戸時代末期から明治時代初期に建設された山内の建物群は老朽化が著しかったため、10年間にわたって保存修理事業に取り組んできました。
3月に三軒長屋の保存修理を終え事業が完了しましたので、事業概要と新しくなった建物群の様子を紹介します。

◎菅谷たたら山内フルオープン当日の記念イベントの様子(詳細は広報紙12ページ)

■1 菅谷たたら山内と事業概要
◯菅谷たたら山内
菅谷たたらは、出雲屈指のたたら経営者田部家が操業しました。山内とは、たたら操業に従事していた人たちが生活していた地区の呼称です。

《事業概要》
期間:平成24年4月~令和5年3月
総事業費:8億395万8,564円(国が約1/2、島根県、雲南市で残りを負担)

■2 修復した施設
◯高殿(たかどの)(修理期間:平成24年度~平成26年度)
製鉄炉がある建屋のことで、一辺約18mの正方形の建物
・屋根や梁・垂木などの破損が著しかったため全解体修理
・失われていた「火宇内(ほうち)(熱気、煙を排出するための開口)」を復元

◯元小屋(もとごや)(修理期間:平成24年度~平成29年度)
山内全体を管理する事務所
・屋根の腐朽、梁・垂木(たるき)など劣化が著しかったため部分的に解体し修理
・外壁一部が波板鉄板で養生されていたため、土壁に復元

◯米倉(こめぐら)(修理期間:平成28年度~平成30年度)
山内で働く職人に支給する米を収納した蔵
・屋根の経年劣化がめだったため、解体調査後に全面葺き替え
・外壁の破損が著しいところは、解体後、下地から作り直し

◯三軒長屋(さんげんながや)(修理期間:令和元年度~令和4年度)
村下(むらげ)※をはじめ、たたら製鉄従事者の住宅
・腐朽した屋根と劣化した部材は一旦解体し、歪みを修復後に修理
・屋根には煙出しおよび杮葺(こけらぶ)きを復元
※たたら操業を行う長

◯祭祀施設(修理期間:平成25年度~平成26年度)
製鉄の守護神である金屋子神(かなやごしん)をまつる「金屋子社(しゃ)」をはじめ、「天王社」、「秋葉(あきば)社・愛宕(あたご)社・金比羅(こんぴら)社」、「山神社(さんじんじゃ)」
・石積みが一部崩れていたため積み直し
・祠(ほこら)は歪み、土台部材の腐食が進行していたため半解体修理を実施

菅谷たたら山内は、保存修理事業により、たたら操業が行われていた当時の輝きを取り戻しました。ぜひ、新しくなった山内の見学にお越しください。

◆入館
開館時間:9:00~17:00(入館は16:00まで)
※毎週月曜日休館(月曜日が祝日の場合はその翌日)

◯入館料
《個人》
・一般 310円
・小・中学生 210円
《団体(20人以上)》
・一般 260円
・小・中学生 150円
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者福祉手帳をお持ちの方および介助される方は全額免除

雲南市・雲南市教育委員会は、たたら文化を後世に伝えていくため、その保存に引き続き取り組むとともに、文化資源として関係人口の拡大や観光振興などに生かしていきます。

問合せ:文化財課
【電話】0854-40-1075

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