国際交流員(CIR)スーキ・パチェコ・ジャン・ポールの異文化交流コーナー
■第35話「人事を尽くす」
この間、久しぶりに母語のスペイン語で話してみました。
会話を始めたとたん、舌も顎も運動したように疲れてきました。そのときのことを振り返ると、少しむなしい気持ちがしています。
僕は言語学に約15年間人事を尽くしてきました。しかし、ベネズエラからアメリカに移住した自分は、スペイン語に対して表面的な言葉の理解や、口に出す際に自信をもたらす「文化的な知識」が欠けている気がします。その知識をいまさら学ぼうとするそばから、日本語の練習に逃げたり、さらに追加したポルトガル語の勉強も頑張らなきゃと思ったりしてしまいます。このままではスペイン語どころか、どの言語も使いこなせる訳がないでしょう。
しかし、完璧でなくてもいいかもしれません。「人事を尽くす」ことは、人生のステージごとのいろいろな状況により変わります。今はスペイン語を話す機会がまれにしか来ないとしても、将来万が一のときに備えて話せるように人事を尽くしていきたいと思います。
◎毎日触れる日本語と最も流暢な英語。子どもの頃から使っている母語スペイン語は家族とのビデオコールでしか使わない現状。
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