国際交流員(CIR)スーキ・パチェコ・ジャン・ポールの異文化交流コーナー
◎Hello Unnan(こんにちはうんなん)!
■第36話「慰めチキ」11周年
12月がやってくると、フライドチキンに感謝します。
そう。日本のクリスマスならではの食事に癒された時を思い出します。
時は平成25年12月。目も心もキラキラな留学生の僕は、ある女性のことが好きになりました。恋愛に対して自信があまり持てず、ましてや3ヵ国語で可愛い女性に話しかけることはなおさら自信が持てませんでした。
それでも、どうにか勇気を出して、クリスマスの花火を観に誘うことができました。デート当日までメールでのやりとりが結構順調に進んでいたし、本番も上手くいきそうではと思いました。しかし、本番の日、12月24日は真逆でした。
無口な2人は無口に地下鉄に乗り、無口に花火を鑑賞、そのまま帰りました。当時の僕はまるで車のヘッドライトに照らされた小鹿みたいに動けなかったのです。もちろん、セカンドデートなどありませんでした。
今振り返れば、あの人の優しさを勘違いしてしまったことは明らかです。ホストファミリーのお父さんにデートレポートを話したら、「大変だね。お疲れ様」とばかりにビールと家族に買ってきたフライドチキンを盛って出してくれました。
こうやって、日本のクリスマス文化に初めて触れて、そして慰められたのです。
11年後、「慰めチキ」へ感謝を申し上げます。
◎名古屋の留学後まさか11年も経ったとは、膝も腰もきしんでいます。
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