■第51回:「孤食を避けて心理的健康を保つ」
このシリーズでは総合診療医が患者さんからいただいた質問をもとに市民の皆さんが困っている症状や疑問について解説します。
先日いただいた質問はこれです。
「最近、うちのお父さんが一人で食事をすることが多くなってますが、大丈夫ですか?」
一人で食事を摂ることを「孤食」といい、精神的健康に関連があるといわれています。最近、独居の方やご家族が働きに出ることによる日中独居の方が多くなっています。孤食に関しては、気付かないうちに精神的健康を害する可能性があります。
最近の研究では、日本の高齢者を対象として、「孤独の強さが自殺率の高さにつながっていること」が明らかになっています。
特に、食事を一人で摂ることが多い高齢者に関しては、自殺率が高くなり、最大で3~4倍高くなるようです。現在の地域では孤食を行っている方が増加しており、今後さらに地域の高齢者の精神的健康が悪化する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症に対する感染対策も重要ですが、高齢者の孤食の頻度を減らし、地域参加を促していくためにも、地域全体として、いろいろな地域のつながりを作る取り組みを行っていけるといいですね。
では、引き続き健康に気を付けながら健やかに過ごしましょう。
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