石飛市長は雲南市議会3月定例会の開会にあたり、令和6年度の市政運営における基本的な考え方を述べました。
■地方創生・人口減少対策の取り組み
人口動態の現状については、ここ近年、人口の社会動態が改善傾向にあり、この間の取り組みが着実に実を結んできています。市の人口減少の大きな要因である松江市、出雲市への流出が、最も大きかった平成29年と比べるとおよそ4分の1に減少しています。特に、30代、40代の子育て世代の動きが好転しており、市窓口でのアンケート調査結果によると、豊かな自然環境や子育て・教育環境が充実している点など暮らしやすさを評価する声をいただいており、こうした魅力を一層高めながら積極的に発信し、人口の社会増の実現に向けて引き続き努力します。
一方で課題としては、20代の県外への転出が拡大しており、特に女性の動きが大きくなっています。若者や女性が求める働き場の確保や市内就業に向けた対策などに積極的に取り組みます。
また新年度より、リモートワークで働くためのデジタルスキルの習得とデジタル人材を求める企業への就職マッチングを図る取り組みを新たに始めます。これにより、雲南市で暮らしながら多様な働き方ができる環境づくりを進めるとともに、市内事業所のデジタル化を推進する人材の育成確保にもつなげます。
これに加え、人材の育成と還流に大きな役割をもつ市内3高校への支援体制の充実を図り、入学者の確保と各校の特色化・魅力化に向けた取り組みを積極的に支援します。特に大東高校は今春より入学定員の削減が示されましたが、市では、寄宿舎を整備し、市外入学者の確保に向けた環境整備に取り組んでいるほか、高校においても学校独自の教科となる「雲南地域探究」の開設など、魅力ある学校づくりに向けた新たな取り組みが進められています。
さらに、市のまちづくりに関心をもつ大学生を市内事業所で受け入れるインターンシップ事業の充実や、地域で起業したい若者を起業型地域おこし協力隊として新たに2人配置し実践をサポートするなど、まちづくりの担い手の育成・確保に積極的に取り組みます。
人口減少対策はあらゆる施策が関係し総合的に取り組んでいく必要がありますが、この間取り組んできたミニ住宅団地の整備や空き家の利活用の促進などの住環境整備、保育環境の充実など子育て世代が暮らしやすい環境を整えます。
また、地域の人権意識を高めるため、新たに企業や事業所と連携して女性が働きやすい職場環境づくりに向けた取り組みを進めます。スポーツ・文化の振興にも引き続き取り組み、若者や女性が住みたくなるまちづくりをめざします。
■物価高騰対策
電力・ガス・燃料油価格の高騰により経営が圧迫されている指定管理者に対し、燃料費の上昇分を支援することで、経営ならびに市民サービスの安定化を図ります。また、児童福祉施設に対しても、その影響額を利用者の負担に転嫁することなく、継続的・安定的なサービスの提供を行うため、燃料費の上昇分を支援します。
物価高騰に対しては、日本全体で賃金の引き上げによる経済調整をめざして取り組まれていますが、本市においても、賃金上昇分を含め公の施設の指定管理費や委託料等において適切な見直しを図り、地域全体での経済循環を後押しします。
■令和3年7月豪雨災害の復旧状況
早期の復旧、復興をめざし、工事発注に努めており、公共土木災害、農林土木災害合わせて、約70パーセントを発注し、全体の50パーセントを超えるところまで復旧が完了しているところです。本年度は、残り約200箇所を発注し、全ての発注が完了する予定としています。
■第3次雲南市総合計画の策定状況
まちづくりの指針となる第3次雲南市総合計画の策定については、昨年5月より総合計画策定委員会において検討を進め、まちづくりの基本理念やめざす将来像を基本構想の素案としてまとめていただきました。年明けからはタウンミーティングを開催し、市民の皆さんからさまざまなご意見をいただきました。
今後は、庁内協議やパブリックコメントを経て、本年6月市議会定例会での基本構想の議決をめざして取り組みます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>