■第45回:「補聴器は寿命を延ばす?」
このシリーズでは総合診療医が患者さんからいただいた質問をもとに市民の皆さんが困っている症状や疑問について解説します。
先日いただいた質問はこれです。
「耳が聞こえにくくなってきたんですが、補聴器はつけた方がいいですか」
年齢を重ねると、聴力が弱り、難聴になることがあります。最近は、若い方でも、大音量の音を聴きすぎで、難聴になっていることもあり、社会的な問題になっています。
実は、中高齢者の難聴と寿命に関係があることが最近の研究でわかっています。
最近の研究では、「難聴の高齢者の方が、補聴器を使うことによって、健康寿命が伸びる可能性があること」が明らかになっています。
補聴器を使うことによって、死亡率が25%低下するという研究もあります。
補聴器をつけることによる健康寿命の延長の理由として、
・社会的孤立の減少
・認知機能低下の緩和
・コミュニケーションの改善
・事故のリスク減少
があるようです。
最近の雲南市立病院の外来でも中高齢者で難聴の方は増えてきているので、耳が聞こえにくくなっていると感じたら、健康寿命を考えて、できるだけ早めにかかりつけ医や耳鼻科で相談することをお勧めします。
◎難聴改善が健康寿命の延伸につながる
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