■新年のごあいさつ
◯病院事業管理者 大谷 順(おおたにじゅん)
新年あけましておめでとうございます。市民の皆様には、日頃より当院へのご理解とご支援を賜り、有難うございます。新年を迎えるにあたり、ごあいさつ申し上げます。
今年は、「2025年問題」に向けて国が進める地域医療構想の目途の年を迎えます。地域全体で適切な医療体制の整備が進んでいますが、すでにその先にある「2040年問題」も見据える必要が出てきました。2025年問題は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、医療・介護の必要度が急増するという課題ですが、2040年問題は、人口減少と少子高齢化がさらに進み、医療・介護を支える現役世代の働き手が減少することで、社会全体の持続可能性が問われるという課題です。言い換えれば2025年問題は「医療・介護の受け皿づくりの問題」、2040年問題は「医療・介護の支え手確保の問題」とも言えます。
こうした変化は皆様の日々の生活にも少なからず影響を与えます。特に、地域での支え合いや健康管理の意識を高め、生活の質を保ちながら医療資源を賢く使うことが求められるでしょう。
生活の質と言えば、近年「Well-being(ウェルビーイング)」という言葉が随所で見聞きされるようになってきています。これは個人の健康や幸福、生活の質を総合的に捉える概念で、住民が幸福を感じることのできる地域には人が住み続け、移住も期待できるということから、少子高齢化、人口減少への対策としても注目されている概念です。これは日本語に置き換えると「いい塩梅」ということでしょうか。
当院では、昨年4月に「雲南市未来型連携推進センター」を設立しましたが、このセンターの目的は、市内の医療、介護に携わる施設やスタッフを有機的に結び付け、医療・介護の狭間に誰一人取り残されないための仕組みづくりをすることで、まさにウェルビーイングの実現に取り組む部署です。
新しい年を迎え、地域の健康と福祉を支える役割を改めて意識しつつ、本年も市民の皆様が生き生きと、「いい塩梅」で活躍できるよう、職員一同が全力で職務に励むことをお誓い申し上げます。本年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯院長 西 英明(にしひであき)
新年あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとって、良い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
昨年は、元日の能登半島地震から始まり、8月の宮崎県で発生した地震に伴い南海トラフ地震臨時情報が発表されました。また台風、災害級の豪雨で、日本各地で大きな混乱と被害が出ました。このような自然災害は、いつ我が身に降りかかるか分かりません。出雲の神様が守ってくれるはずですが、我々も日頃からの災害への準備、防災の意識が必要です。
さて病院で起こる医療事故(医療現場で発生する人身事故全般)・医療過誤(医療事故のなかで、医療機関、医療従事者の過失によるもの)は、災害と同じで、いつ・どこで発生するか分かりません。もちろん医療事故・医療過誤は起きない・起こさないことが大前提ですが、起こりえます。そのため発生を最小限にする工夫と、人的被害を最小限にする準備が必要です。
医療過誤を除く医療事故は病院施設・設備の改善で最小限にできます。当院はさらに施設・設備の改善を進め、患者様へ安全・安心な療養環境を提供できるように務めます。一方、医療過誤は、人為的な単純なミスによる事故で、注意していれば防げた、正規の方法で行えば発生していないはずの事故です。発生すると病院の信頼が揺らぎます。我々、医療従事者のミスを最小限にする工夫と、ミスをしても人的被害が出ないよう修正できる体制づくりが必要です。そのシステムが医療安全体制です。当院は現在、その医療安全体制を、島根大学附属病院やその他の第三者機関のご協力、ご助言をいただきながら、改善・改革を進めています。
今後雲南市立病院は、さらに医療安全体制を強化し、近隣住民の皆様に、安心して受診していただける病院、また安全・安心の医療を提供できる病院をめざして、精進してまいります。今年も雲南市立病院をよろしくお願いいたします。
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