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自治体の皆さまへ

まちのおもちゃ箱(3)健康コラム-保健・医療・介護・福祉

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島根県飯南町

【飯南病院便り】

◆老年期における「心の健康」
松江市立病院 初期研修医 宮崎洋佑

皆さま、初めまして。松江市立病院初期研修医の宮崎洋佑と申します。10月の1カ月間、飯南病院で地域医療研修をさせていただきました。今回は老年期における「こころの健康」についてお話ししたいと思います。
年齢を重ねるにつれ、誰でも病気や怪我をする機会が増え、身体の不調が出てきます。20代や30代の頃と比べると身体が動かしにくく、元気に仕事や趣味をすることは難しくなるでしょう。前にはできていたことができなくなると気持ちが沈みがちです。また、家族や仲の良い友人が亡くなってお別れをしなければならない機会もあるかもしれません。その場合には悲しい気持ちになるでしょう。このような気分の落ち込みや悲しみは、誰にでもある正常なこころの反応であり、時間が経過することで自然に和らぐことが多いと思います。
しかし、数カ月の時間が経っても気分の落ち込みが全然良くならない、それどころか理由がないのに不安で堪らなくなったり、泣いてしまったりするような場合は注意が必要です。
「老年期うつ病」という言葉をご存知でしょうか。これは65歳以上の方がかかる「うつ病」のことです。「うつ病」は脳の神経伝達物質という部分に異常があり、やけに気分が落ち込む、食欲が全然出ない、夜によく眠れない、前は楽しめていたはずの趣味をしても楽しめないといった症状が出てきます。このようなエピソードが2週間以上続き、なおかつ生活に支障が出るのであれば、老年期うつ病の可能性があります。
もし、身体の不調だけでなく、気分の落ち込みに関して心配に感じることがありましたら、かかりつけの医者や看護師に一度相談してみることをお勧めします。きっと力になってくれると思います。

【保健福祉センター便り】

◆自らが望む医療やケアのために
12月3日、来島交流センターで映画「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~」の上映会を行いました。アルツハイマー病を患った妻、初めての家事と介護に奮闘する夫、離れて見守る一人娘がその姿を記録に残す、ドキュメンタリー映画です。当日は中高生からご年配の方まで、幅広い世代の方が来場し、会場全体が深い感動に包まれました。
映画のように住み慣れた地域で、安心して自分らしい生活を続けていくことは誰もが望む姿。しかし、誰でも、いつでも命に関わる病気やケガをする可能性があります。命の危機が迫った状態になると、約70パーセントが医療やケアなどを自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなると言われています。
そこでお勧めなのが「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議」。希望する医療やケアを受けるには、大切にしていること、どこでどのような医療やケアを望むかを、自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人と話し合い、共有することが必要です。ただ話し合うだけではなく、記録に残しておくために、本町では「いきいき生きて逝くために」というエンディングノートの活用を推奨。もしもの時に備えて、自分の思いをご家族や近しい人と繰り返し話し合い、何度でも書き直しましょう。あなたとあなたの大切な人のために。

問合せ:
飯南病院【電話】72-0221
来島診療所【電話】76-2309
保健福祉センター【電話】72-1770

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