■シリーズ「博物館コレクション」第27回
安芸高田市歴史民俗博物館 学芸員 古川 恵子
◆暖房具
年が明けさらに寒くなる今月は、歴史民俗博物館で展示している暖房具を幾つかご紹介します。懐かしいと感じる方もいるのではないでしょうか。エアコンやファンヒーター、ストーブ、電気毛布、あったかインナーや電熱ジャケットなど、暖かい物であふれている現代でも寒さがこたえる冬ですが、昔はどのように乗り切っていたのでしょうか。
○いろり(ゆるい)
台所に作られ、薪や炭を燃やして、炊事や暖房、照明、乾燥のために年中使用されました。
○火鉢
(直径38.5cm 高さ28.0cm)
陶製の火鉢。灰を入れてその上に炭を置き、手を温めました。暖房以外にも、五徳を置きその上に鉄瓶や鍋を置いたりもしました。
○置炬燵(こたつ)(櫓(やぐら)炬燵)(37.8×37.5×30.3cm)
中の陶器の容器に炭を入れ、櫓に布団を掛けて温まりました。
○陶製湯たんぽ(長さ27.8cm)
陶製の湯たんぽは遅くとも江戸時代にはあったようです。展示のものは、お湯を注ぐ口にはめる栓が欠失しています。大正から昭和にかけてブリキ製も登場しました。
○電気行火(あんか)「ナショナル電気コタツ」
(16.5×24.0×15.8cm)
1955年以降に販売されたと考えられます。寝る時に布団に入れて使用しました。
○電気炬燵「ナショナルホームコタツ小型」
(24.8×24.8×23.8cm)
1955年以降に販売されたと考えられます。櫓に布団を掛けて温まりました。
※詳しくは本紙をご確認ください。
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