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市が被告となった損害賠償請求事件について

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広島県安芸高田市

市は、山根議員から提起された損害賠償請求事件の一審判決の内容を不服として、専決処分により控訴しました。裁判の経緯から専決処分に至るまでの流れを説明します。

■事件の概要
原告:山根温子
被告:安芸高田市、石丸伸二(個人)

◇経緯
2021年6月9日 原告が、石丸伸二(個人)に名誉を毀損されたとして損害賠償を求める訴えを提起。(損害賠償500万円)
2021年9月16日 石丸伸二(個人)の言動は、市長としての行為であるとして安芸高田市に対して損害賠償を求める訴えを提起。(損害賠償330万円)
2021年10月22日 石丸伸二(個人)に対する損害賠償請求事件と安芸高田市に対する損害賠償請求事件が併合される。
※石丸伸二(個人)および安芸高田市に対する訴訟は、被告は異なるが事実関係や証拠が同一の訴訟であるため併合され審理されることとなりました。

◇裁判の経過と判決
2021年10月22日 第1回口頭弁論期日が広島地方裁判所で開廷
2023年10月3日 第13回口頭弁論期日で弁論終結
2023年12月26日 判決の言渡し

◇判決の内容
○石丸伸二(個人)に対する損害賠償請求
・棄却する。
・訴訟費用は原告の負担とする。

○安芸高田市に対する損害賠償請求
・33万円及び遅延損害金(年3%の割合)の支払いを命じる。
・安芸高田市と原告の間で生じた訴訟費用は、安芸高田市が1割、原告が9割の負担とする。

◇控訴の決定
控訴期限は、判決正本が送達された日の翌日から起算して2週間の最終日までと定められています。12月26日に判決正本が送達されたため、2024年1月9日17時が控訴期限となりました。市は、12月26日に判決を受け取り、27日に弁護士と今後の対応について協議。28日に一審判決の内容を不服として控訴する方針を固めました。

◇控訴決定後の手続き
○臨時議会の招集
本来、地方公共団体が当事者となる訴えの提起(控訴も含む)については、議会の議決が必要となります。議会の招集は、普通地方公共団体の長が行うこととなっており、長は開会の7日前までに招集の告示をしなければなりません。告示後、その旨を議長に通知します。

○議会運営委員会
定例会と同様に臨時議会においても、議会の会期日程などは議会運営委員会(※)であらかじめ協議します。そして、議会運営委員会における協議の結果は議会初日に議会運営委員長からの報告を受け議長が会議に諮って決定しています。また、議会運営委員会を招集しようとする時には、委員長は開会の日時などをあらかじめ議長に通知しなければなりません(会議規則第88条)。
(※)『議員必携』では「会期や議事日程についてあらかじめ議会運営委員会において協議し決定するのが通常の流れ」であると説明されています。安芸高田市議会においても、議会運営委員会の開催について会議規則で定められており、議会開会の7~10日前に開かれるのが通例となっています。

○臨時議会開催の可否と専決処分の決定
今回の事件においては28日の控訴決定後、1月4日までに臨時議会を開会するにあたり必要な(1)議会の招集告示、議長への通知、議長から議員への通知(2)議会運営委員会で会期日程などの協議を行う必要がありました。12月29日~1月3日は「安芸高田市の休日を定める条例」に定める「市の休日」であり「安芸高田市議会会議規則」に「市の休日は休会とする」と規定されていることから臨時議会の開会に必要な時間的な余裕が無いと判断し、議会を招集せず28日の時点で控訴を専決処分とすることとしました。

◇判決から控訴期限までのスケジュール

安芸高田市議会では、休日は休会とされています。

◇控訴の専決処分について議会へ報告
専決処分した件については、処分後初めて開かれる会議で議会の承認を求める必要があるため、安芸高田市議会第1回臨時会(2月14日招集)に報告し承認を求めました。臨時会では、直接の利害関係があるとして山根議員を除斥し審議しました。なお、専決処分は、議会の承認が得られなくてもその効力に影響はありません。

○審議の結果
不承認(賛成1、反対12)
[賛成した議員]熊高昌三
[反対した議員]南澤克彦、田邊介三、山本数博、新田和明、芦田宏治、先川和幸、石飛慶久、山本優、宍戸夫、秋田雅朝、金行哲昭、児玉史則
※議長は議決に加わる権利がない代わりに、可否同数となった場合、可決・否決を決める採決権が認められています。

※敬称略

問合せ:総務課 行政係
【電話・お太助フォン】42-5611

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