■シリーズ「博物館コレクション」第30回 菓子木型 歴史民俗博物館蔵
安芸高田市歴史民俗博物館 学芸員 古川 恵子
歴史民俗博物館の第2展示室では「菓子木型の世界」と題して、安芸高田市の菓子店で近代に使用されていたと考えられる菓子木型を47点展示中です。
菓子木型は、さまざまな形の菓子を均一に作る道具で、干菓子や生菓子などに用いられています。祝儀用としてはタイやエビ・カメ・ツル・松などがあり、不祝儀やお供え用としては蓮や菊、野菜や果物など、多くの種類があります。
この木型は、もち米や麦などの穀物の粉と砂糖、水などを混ぜたものを詰めて打ち出す落雁(らくがん)に用いられたと考えられます。
砂糖が貴重だった時代、落雁は慶弔時や贈答に幅広く用いられてきましたが、現在ではお盆やお彼岸のお供えや茶菓子が主流となっています。
1928(昭和3)年に発行された「大日本営業別住所入明細図」によると、当時の吉田、甲田、向原の3町だけで少なくとも33の菓子店があったようです(卸売り含む)。
※詳しくは本紙をご確認ください。
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