脂質異常症を知ろう
■脂質異常症とは
血液中の脂質の値が基準値を超えた状態を脂質異常症といいます。
脂質の異常には、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の血中濃度が関係しています。
コレステロールは、人の細胞膜や消化吸収に必要な胆汁酸、ホルモンの基となる重要な物質です。また中性脂肪は、エネルギーとして貯蔵されたり、保温、外部からの衝撃を和らげたり、内臓を固定するなど、体内で重要な役割を果たしています。
脂質は重要な役割を持っているため、少なければいいというわけではありません。少なすぎず多すぎず、適正な濃度を維持することが大切です。
■脂質異常症がもたらす動脈硬化とは
血液中にコレステロールなどの脂質が多い状態が続くと、血管壁に余分な脂が沈着し、プラーク(粥腫(じゅくしゅ))と呼ばれる塊ができます。プラークは柔らかくて壊れやすいものですが、比較的に短期間で血管壁にたまりやすい特徴があります。これが続くと時間の経過とともに血管の壁がどんどん分厚くなり、血管が詰まりやすい状態になります。
このような状態を「動脈硬化」と言います。
動脈硬化を起こした血管では、血栓が詰まりやすくなり、脳動脈が詰まれば脳梗塞、心臓の冠動脈が詰まれば心筋梗塞、下肢の動脈が詰まれば急性動脈閉塞症を発症します。
■脂質異常症を予防するために
脂質異常症は、病気の症状が見えにくい病気ですが、体内の血管ではゆっくりと動脈硬化を進め、突然、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを引き起こす恐れがあります。
脂質異常症を予防するために生活習慣の改善を心掛けましょう。
■脂質異常症予防のための生活習慣の改善
1 禁煙し、受動喫煙を回避する
2 過食を抑え、標準体重※1を維持する
3 肉の脂身、脂質の多い食品の摂取を抑え、魚類、大豆製品を増やす
4 野菜、果物、未精製穀類※2海藻の摂取を増やす
5 食塩を多く含む食品の摂取を控える
6 アルコールの過剰摂取を控える
7 有酸素運動を毎日30分以上行う
※1 標準体重…身長(cm)/100×身長(cm)/100×22で算出
※2 玄米、大麦、オーツ、ライ麦など精製されていない穀類
問合せ:保健医療課健康推進係
【電話】0824-73-1255
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