健康広場

16／41

たばこから健康を守る
庄原市医師会 庄原市高野診療所 山﨑 力

■たばこの歴史
たばこは、アメリカ大陸が原産で1492年のコロンブスの新大陸発見以降、欧州に紹介され世界中で喫煙習慣が広がりました。
しかし、たばこには約70種類の発がん性物質や有害な化学物質など、健康に悪影響を及ぼす物質が数多く含まれ、多くの疾患を引き起こす可能性が示唆されたため、20世紀半ばになると各国でたばこ対策が進められるようになりました。

たばこを吸っている人がなりやすい病気

■たばこがもたらす影響
たばこにはニコチンという成分が含まれています。たばこを吸うとニコチンは血液中に吸収され、脳の神経細胞からドーパミンという神経伝達物質が放出されます。これにより、快感やリラックス効果、不安やストレスを軽減する効果が引き起こされます。しかし、たばこをやめるとニコチンの依存性により、イライラや不安感、集中力低下などの離脱症状が現れるため、たばこをやめることが困難になります。
たばこは、一般的な紙巻きたばこ、葉巻・シガー、近年急速に普及している加熱式たばこなど、いろいろな形態があります。
加熱式たばこは、たばこを燃焼させずに電気的に加熱しニコチンを吸う喫煙方法で、従来のたばこよりも煙や臭いが少ないことから、健康への悪影響も少ないと思われがちですが、健康への影響が少ないことは科学的に明らかになっていません。いずれの形態のたばこでも健康に悪影響があることに変わりありません。
たばこを吸うことは喫煙者本人だけではなく、たばこの煙に含まれる有害物質の影響が周囲の人々にも直接的に及びます。また、たばこを吸っていない時も、たばこの煙が付着した壁・家具・衣服などから、周囲の人の健康へ間接的に悪影響を及ぼします。

■禁煙
自力での禁煙は、禁煙後の離脱症状のため継続困難になりやすいのですが、禁煙補助薬を使用すると離脱症状が緩和され、比較的楽に禁煙できるといわれています。
現在使用できる禁煙補助薬は、薬局・薬店で市販されているニコチンガム・ニコチンパッチと医療機関の禁煙外来で処方されるニコチンパッチがあります。
禁煙外来で処方されるニコチンパッチには市販より大きいサイズのものがあり、喫煙本数が多い人の禁煙には有効です。

■喫煙は新型コロナウイルス感染時の重症化リスクの要因でもあります
長年たばこを吸っていても禁煙するのに遅過ぎることはありません。
自分自身や、受動喫煙による家族や周囲の人への健康被害を防ぎ健康を守るため、喫煙習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

問合せ：保健医療課健康推進係
【電話】0824-73-1255