■尿漏れが気になることはありませんか?
庄原市立西城市民病院 デイサービス主任
介護福祉士 大段 智之(おおだん ともゆき)
尿漏れが気になることはありませんか。
尿漏れは、高齢者に多く見られるトラブルですが、年齢や性別に関係なく誰にでも起こる可能性があります。尿漏れは、自尊心が傷ついたり、尿が漏れる不安で外出がおっくうになったりするなど、精神的な苦痛をもたらし、活動の幅を狭めてしまうこともあります。
◆尿漏れとは
自分の意識とは関係なく尿が漏れてしまうことで、軽いものであれば数滴から、重いものであれば完全に漏れてしまうことがあります。
原因は、加齢に伴う筋力の低下で、排尿をコントロールする筋力が弱くなることが挙げられます。
女性は加齢に伴い膀胱や子宮を支える筋肉が緩みやすく、重いものを持ち上げたり、笑ったり、くしゃみをしたりしてお腹に圧がかかると尿が漏れることが多く、男性は前立腺肥大や尿道が狭くなることにより、無意識に尿が少しずつ漏れてしまう傾向があります。
◆吸水ケア用品を上手に使って、快適に
尿漏れの対応で大切なことは、尿漏れを減らすことや無くすことではありません。本人が日常生活を送る上で困ることがないようにコントロールすることが大切です。
最近では、尿漏れ・失禁パンツや吸水パッドなど、不意な尿漏れを吸収してくれる吸水ケア用品が多くあり、尿独特のにおいを消臭する機能もあります。素材や形状などのバリエーションが豊富なので、自分の症状に合った最適なものを選ぶことができます。
これらを使うことに、ためらいを感じる人もいますが、適切な製品を選ぶことで、安心して外出できる、ぐっすり眠れるなど、行動の自由が広がり、生活の質の向上につながります。
尿漏れの予防・改善法は
尿道と肛門周囲の筋肉を締めたり緩めたりする、骨盤底筋体操がおすすめです。
また、便秘や肥満の改善が大切です。そのため栄養バランスを意識した食事や適度な運動を心掛けましょう。他にもトイレや廊下に手すりを設置するなど、環境を整えることで移動しやすくなり、尿漏れを予防できる場合もあります。
この他にも、薬物療法や手術など、原因と症状に合ったさまざまな治療法があります。1人で悩まず、まずは泌尿器科を受診し、医師に相談しましょう。
▽骨盤底筋体操
尿道を締める骨盤底筋の収縮力を高める体操です。
・あおむけで
・椅子に座った状態で
・テーブルに手をついて
1.肛門部に意識を集中して、肛門と膣・尿道を5~8秒くらいキューと締める
2.締めていた部分をゆるめ、数十秒休む
3.1、2の動作を繰り返す(目標は1日30~50回。3~4回に分けて行う)
◆吸水ケア用品を上手に使って、快適に
尿漏れの対応で大切なことは、尿漏れを減らすことや無くすことではありません。本人が日常生活を送る上で困ることがないようにコントロールすることが大切です。
最近では、尿漏れ・失禁パンツや吸水パッドなど、不意な尿漏れを吸収してくれる吸水ケア用品が多くあり、尿独特のにおいを消臭する機能もあります。素材や形状などのバリエーションが豊富なので、自分の症状に合った最適なものを選ぶことができます。
これらを使うことに、ためらいを感じる人もいますが、適切な製品を選ぶことで、安心して外出できる、ぐっすり眠れるなど、行動の自由が広がり、生活の質の向上につながります。
問合せ:保健医療課健康推進係
【電話】0824-73-1255
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