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令和6年度 施政方針ー3ー

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広島県庄原市

3.庄原いちばんづくりの主要事業
■「地域産業」のいちばん
▽新たな可能性で切り開く“稼ぐ”地域産業の構築
多くの産業において人手不足が深刻な課題となる中で、特に農畜産業の担い手を育成・確保し、安定的な経営を継続することは、本市の産業の発展のため、重要な取り組みでございます。
国の新規就農者育成総合対策事業を活用し、農業経営発展のための機材や施設などの整備に対する支援を行い、農業への人材のより一層の呼び込みと定着を図ってまいります。
林業の分野では、市内への誘致に取り組んでまいりました製材工場が、本年4月に竣工を迎え、操業を開始されます。
これを契機とし、これまで市外・県外に流出していた庄原産材を市内へ安定的に供給する仕組みといたしまして、原木供給・需要促進事業奨励金を制度化し、庄原産材の知名度と価値の向上によるブランド化および森林資源の有効活用を促進させ、林業を儲(もう)かる産業として次世代へ継承する道筋をお示ししてまいります。
また、営農意欲の減退をもたらすイノシシやシカの鳥獣被害が拡大する中、処理能力を高めた新たな有害鳥獣処理施設を整備し、捕獲者の負担軽減および農業の生産基盤の維持、ならびにジビエ肉への加工による地域資源の有効活用を推し進めます。
中小企業振興につきましては、市内商工団体や金融機関と連携して取り組んでまいりました「創業」などの分野における細やかな支援策を今後も継続するとともに、キャッシュレス決済推進事業への支援による地域内経済循環サイクルの構築などにより、地域の中小企業者を支え、地域経済の活性化につなげてまいります。

▽“食の宝庫 庄原”の強みを生かしたブランディング
昨年の「G7広島サミット」におきまして、広島県を代表する食材として「比婆牛」が各国首脳に提供され、内外の注目度が高まっております。この歴史と伝統ある「比婆牛」ブランドを将来にわたり継承するため、比婆牛素牛(もとうし)の増頭を進めるとともに、畜産農家の生産基盤の強化や経営の安定化に向けた施策を、引き続き展開してまいります。

▽新たな時代の潮流を取り込んだビジネスモデルの構築
これまで整備してまいりましたお試しオフィスを有効活用し、サテライトオフィスをはじめとする、都市と地方を結んだ新しいワークスタイルに取り組む企業を積極的に誘致することで、雇用の創出や地元就業の選択肢を増やし、働く場の創出と都市部からの移住を促進いたします。

■「暮らしの安心」のいちばん
▽安心を実感できる子育て環境の整備
子育て世代をはじめ、誰もが気軽に集い・憩うことのできる場を整備するため、上野総合公園を候補地として基本計画の策定を進めており、幅広い世代の皆さんの多様な交流を促進するとともに、周辺施設との相乗効果によるにぎわいの創出、交流・関係人口の増加を図ってまいります。
併せて、こうした集いの場の整備につきましては、市内の他の地域におきましても、検討を進めてまいります。
また、保育所における保護者との連携強化や登・降園の確認など園児の安全・安心な環境をさらに充実させるため、「保育所ICTシステム」を新たに導入するとともに、機能拡充により利便性が向上いたしました電子母子手帳なども含め、デジタル技術の活用を進め、安心して子育てができる環境と保育サービスの充実に取り組みます。

▽安心・安全で快適に暮らせる生活基盤の確保
庄原赤十字病院における産科体制の維持に向け、医師の確保を支援するとともに、新たに小児医療体制を維持するため、その費用の一部を支援することで、引き続き、市内で安心して子どもを産み、育てられる体制を堅持いたします。
また、西城市民病院をはじめとする本市の地域医療の現状分析と医療提供体制などについて調査を行い、明らかとなった課題を踏まえ、実効的な対策に向けた検討を進めてまいります。
さらに、次世代を担う子どもたちにより良い環境を引き継ぎ、持続可能な将来を築くため、脱炭素社会の実現に向けた「ゼロカーボンシティ」を宣言するとともに、計画的な公共施設の照明LED化などの取り組みを推進してまいります。
国による再構築協議会の設置が決定されましたJR芸備線の利用促進では、鉄道のネットワークを生かし、JR木次線も含めた沿線全体での利用促進に取り組むとともに、新たに市内の通学支援やラッピング列車の制作など、関係者が一丸となり利用者の増加に資する事業を、引き続き、展開いたします。

▽地域で活躍できる次代を担う人材育成
次世代を担う子どもたちの学習環境のさらなる充実を図るため、安心・安全な学校施設の年次的・計画的な長寿命化改修やトイレ環境の整備に努めてまいります。

■「にぎわいと活力」のいちばん
▽人口ビジョンに基づく将来人口の確保と地域課題への挑戦
テレワーク、ワーケーション、ふるさと納税など、都市部と地方とのつながりを契機とした「交流人口・関係人口」のさらなる拡大を図り、「知ってもらう」「来てもらう」、そして庄原を「選んでもらう」の流れをつくり、定住者の増加を目指してまいります。
また、人口減少により、地域コミュニティや基幹産業の担い手が不足しつつある状況に対する施策として、全国の若者に本市での仕事や暮らしに挑戦・体験する機会を提供する「庄原いちばんづくり留学」事業に新たに取り組むことで、こうした若者と地域・行政が一体となって、地域活性化を進め、若者の本市への移住を促進いたします。

▽にぎわいを生み出すさらなる魅力の創出
東城市街地に位置する交流拠点施設「遊YOUさろん東城」について、施設の老朽化への対応や機能向上にかかる整備基本計画を策定してまいります。

▽多様な地域資源を結び、輝かせる連携軸の構築
昨年の「帝釈峡国の名勝指定100年、国定公園指定60年記念」イベントを契機といたしまして、神石高原町との連携や周辺の観光資源との一体的なPRなどに、引き続き取り組み、さらなる地域振興を図ります。併せて、屋外体験施設「帝釈峡まほろばの里」にアウトドア施設を整備し、一層の交流人口の増加を目指してまいります。
また、昨年、帝釈峡の記念イベントとして実施した「帝釈峡マラニック大会」は、市内外より過去最高となる471人の参加者を得て、地域の皆さんのご協力のもとで開催され、無事、成功裡(せいこうり)に終了いたしました。
次年度におきましても、食や景観など魅力ある地域資源を活用した大会として市内での開催を計画いたしております。
さらに、昨年6月に包括連携に関する協定を締結した至学館(しがくかん)大学とスポーツ分野での具体的な連携について協議し、「健康づくり」や「アスリート育成」など、同大学で培われた健康スポーツ科学の知見を生かした「にぎわい創出」につなげるための必要な環境整備に向けた調査・研究を進めてまいります。

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