3月26日、第1回芸備線再構築協議会が広島市(ホテルメルパルク広島)で開催され、本市を含む芸備線沿線自治体やJR西日本などの関係者が出席しました。人口減少などによって、ローカル鉄道を取り巻く環境は大きく変化している中、国は昨年「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の改正により、再構築協議会を創設し、法施行後、全国で初めて芸備線再構築協議会を設置しました。
■当日の主な内容
第1回の会議では、協議会の規約などが承認され、議長である国土交通省中国運輸局長から、協議会の今後の進め方などについて確認があったほか、JR西日本から芸備線の現状について説明が行われました。
協議会では、芸備線の特定区間(備中神代(びっちゅうこうじろ)~備後庄原間)について、「廃止ありき・存続ありき」といった前提を置かず、具体的なデータなどに基づき、鉄道の維持や高度化またはバスなどへの転換といった方針の策定に向け、関係者で議論や取り組みを進めていくことになります。
■承認事項
・芸備線再構築協議会 規約
・芸備線再構築協議会 幹事会規約
・芸備線再構築協議会 財務規程
■今後の流れ
国土交通省中国運輸局から、当面のスケジュール(イメージ)が次のとおり提示され、構成員で確認しました。
・5月上~中旬 第1回幹事会
※幹事会は、順次開催予定
・秋頃 第2回芸備線再構築協議会
・令和7年3月頃 第3回芸備線再構築協議会
▽市の再構築協議会に関する対応や利用促進の取り組みはこちら
本紙を参照ください
■協議会での市の意見
市は構成員からの意見として、次のとおり発言しました。
・芸備線は、高校生や高齢者など、交通手段を持たない市民の移動を支える上で、欠くことのできない輸送資源である
・全国につながる鉄道ネットワークは、本市が長期的な視点でまちづくりや観光を進める上で、重要な役割を担っている
・協議会での議論は、芸備線の一部区間の将来に関わるだけではなく、沿線自治体の地域振興にも影響を及ぼすものと認識している
・全国初で設置された協議会であることを踏まえ、本来は、国土交通省において、鉄道ネットワークの方向性をはじめ、内部補助や鉄道の果たす役割など、議論の基盤となる考え方を共有した上で、個別の区間の議論がなされるべきである
・JR西日本は、コロナ禍における赤字から経営努力により黒字へと転換する中で、引き続き内部補助により路線を維持していくことが難しいとされる理由を示していただきたい
・人口減少が続くと予想される過疎地域において、鉄道の大量輸送性のみに着目するのではなく、新たな価値や役割を見出し、評価するための取り組みが重要である
・本市は、「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」の「旅客数や収支だけで判断するのではなく、利用者や地域に与える影響などを十分に考慮して総合的に判断すべき」という考え方を踏まえ、交流人口の増加や地域産業の活性化に資する実証事業に取り組んでいく
・特定区間に存する自治体として、日常利用の利便性向上に加え、他の交通モード(交通手段)に代えがたい人口減少対策上の新たな価値や役割を最大限追求していきたい。前提を置かずにしっかりと細かく議論をさせてもらいたい
▽詳しい内容や当日の資料は、中国運輸局ホームページに掲載されています。
本紙を参照ください
問合せ:地域交通課芸備線対策係
【電話】0824-73-1171
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