本市から広島のマツダスタジアムへ、熱い声援をチームへ届けてきた「庄原市カープ応援隊」。本年で結成から20年の節目を迎えます。
20年前のその当時、チームの本拠地やキャンプ地ではない地域で、市民を主体としたプロスポーツの応援団が結成されるというのは、全国でもあまり例がないことでした。
20年の節目を記念して、カープ応援隊の取り組みや、カープ応援隊に関わりのある人の声を紹介します。
■カープ応援隊とは
広島東洋カープのホームゲームの外野年間指定席40席を買い取り、本市から貸し切りの観戦バスを利用して応援に行く取り組みです。商工団体や交通事業者、観光関係者、市などが実行委員会を組織して運営しています。
この活動に賛同する企業や個人から協賛などを受け、自分でチケットとバスを手配するよりも安く観戦に行くことができます。
※参加人数が少ない試合は、高速乗合バスやタクシーを利用する場合もあります。
■カープ応援隊の取り組み
毎試合の観戦ツアーのほか、庄原の特産品販売やPRを行う「庄原デー」、本市と春季キャンプ地の宮崎県日南市、2軍本拠地の山口県岩国市(由宇町)と合同で「3市町合同物販」をマツダスタジアムで開催しています。
また市内のショッピングセンターと国営備北丘陵公園にカープの若手選手を招く「ふれあいイベント」を開催したり、日南キャンプへの激励訪問などを行ったりするなど、カープと本市をつなぎ、地域を盛り上げる事業に取り組んでいます。
■カープ応援隊に参加しよう
観戦ツアーは、電話と窓口で申し込みを受け付けています。
参加費:
・中学生以上
平日 5500円
土・日・祝日 6500円
・3歳~小学生
一律 3500円
※3歳未満は無料、座席なし
その他:空席情報や観戦ツアーの詳細などはホームページから確認することができます。
公式LINEに登録すると、イベントなどのお知らせを受け取ることができます。
窓口:備北交通たび館(JR備後庄原駅前)
連絡先:カープ応援隊専用電話
【電話】0824-73-0919
■カープ応援隊の絆は庄原市の宝
カープ応援隊結成時のメンバー
備北交通代表取締役 山根 英徳(やまね ひでのり)さん
カープ応援隊の始まりは、平成16年に起きた球界再編がきっかけです。
その当時の広島東洋カープは、球団消滅の危機も噂され、「たる募金」が行われた時期でした。
庄原市でも、たる募金が始まりましたが、市内の有志の間で「お金だけ集めても仕方ない。空席が多い球場を少しでも埋めて、球場を赤くしよう」と声が上がりました。そして、備北交通がバスを出し、バス1台相当の40席分の年間指定席を購入して応援に行こうという構想ができました。
これを実現させようと最初に球団に相談したとき、特典として毎試合サイン入りのボールを1つもらえることになったことを今でも覚えています。シーズン終了後には、球団から「オーナーが庄原市を訪問します」と連絡があって驚きました。後から聞いたのですが、球団としても本当に苦しい時期で、庄原市の取り組みに心から感激していただいたようです。松田元(まつだはじめ)オーナーが庄原市長を訪問され、そこから庄原市と球団の絆が始まりました。
とは言え、スタートは苦しいものでした。なかなか参加者が集まらず、最初の年は私も20回以上参加しました。
最初は手探りの取り組みでしたが、応援隊も気付けば20年目の節目の年を迎えます。
この節目を迎えられたのは、たくさんの協力や参加があったからだと思います。これからも庄原市の皆さんとカープを盛り上げていきたいです。
■スペシャルインタビュー 広島東洋カープオーナー 松田 元(まつだ はじめ)さん
庄原は心が通い合う特別な場所
今から20年前の旧市民球場の時代、年間指定席を売るのは、本当に大変でした。そんなとき、庄原市で「カープ応援隊」という組織が立ち上がり、40席の年間指定席を買いたいという話を聞いて、とても驚きました。
当時の40席は、球団としてものすごく大きかったです。庄原市民の皆さんが、1時間30分を掛けてバスに乗り、応援に来てくれるとは、夢にも思っていませんでした。
それで、これはお礼を言いに行かないといけないと思い、庄原市を訪問しました。その時に「これだけのことをしてくれたのだから、我々も何かやらないといけない」という気持ちが芽生えました。
カープは「地域に育てられた球団」という気持ちを常に持っています。ただ地域や自治体とつながる「つて」がありませんでした。それを作ってくれたのが庄原市です。庄原市がきっかけで、他の地域や自治体との関係も持てるようになりました。
実はカープと縁ができる前から、松田家は庄原市と縁があります。私の父は昔、3輪自動車を売るために自分で運転して、庄原市に行っていました。庄原市の七塚原で四葉のクローバーを取って帰り、幸運があるということで、名刺入れに入れていたのを覚えています。
庄原市は、カープや松田家が困っているときに、助けてくれる源であると私は感じています。困った時に手を差し伸べてくれる場所。カープにとっても、松田家にとっても心が通い合う特別な場所です。ですので、庄原市へのお手伝いは最優先で考えています。私が引退した後もこの心が残るように若い職員にも聞かせています。市民の皆さんもぜひカープ応援隊などを利用して、球場に足を運んでください。
※カープ球団は、これまで市内のイベントで、カープ選手の派遣やカープグッズの提供、関係団体への寄付など、多大な貢献をしていただいています。
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