5月16日、第1回芸備線再構築協議会幹事会が岡山県岡山市(TKP ガーデンシティ岡山)で開催されました。
この幹事会は、ローカル鉄道を再構築し、利便性と持続可能性の高い地域公共交通の実現に向け、具体的な取り組みについて議論していくため、第1回芸備線再構築協議会で設置が決定されたものです。
今回は、今後の幹事会の進め方などについて協議が行われました。
■主な内容
第1回幹事会では、自治体やJRが保有するアンケート調査の結果など、既存のデータを共有し、今後、芸備線の可能性を最大限追求するための検討を進めることになりました。
また、利用者の増加や地域への波及効果といった議論を進めていく中で、新たに把握の必要が生じたデータの収集などの調査事業を実施することを確認しました。
さらに、幹事会の議事に先立ち、第1回芸備線再構築協議会で本市や広島県が求めた鉄道ネットワークの方向性や、内部補助の考え方などについて、国土交通省およびJR西日本から説明が行われました。
■今後のスケジュール
・7月頃 第2回幹事会
・秋頃 第2回芸備線再構築協議会
・令和7年3月頃 第3回芸備線再構築協議会
再構築協議会に関する対応などを市のホームページに掲載しています
詳しい内容や当日の資料は中国運輸局ホームページに掲載されています
本紙を参照ください
■幹事会での市の意見
(1)国土交通省による説明
・国鉄改革時の日本国有鉄道再建監理委員会では「全国の交通ネットワークについては、原則として、利用者の自由な選択により自動車、鉄道、航空などがそれぞれ特性に応じて役割を分担することにより形成・維持されており、鉄道のみによる全国交通ネットワークを考える必要性に乏しい」と意見されている。
・JR上場4社に対しては、JR会社法に基づく大臣指針を踏まえ、路線の適切な維持に努めるよう指導している。
▽市の意見
・第1回協議会で議長(中国運輸局長)から鉄道ネットワークの維持に関する論点は、令和4年7月に取りまとめられた国の有識者検討会の提言で、既に国土交通省が一定の整理をしていると発言されたが、本提言はコロナ禍における鉄道輸送量の減少や大幅な赤字を「現状」として前置きしており、現在のJR各社の経営状況は、当時の危機的状況とは異なる状況にある。
・JR各社は、国鉄改革時に当時の不採算路線を含め、事業全体で採算が確保できるよう、事業用固定資産の承継などが行われた経緯を踏まえると、内部補助を前提とし、引き続きJR西日本が当該区間の運行を担うほうが、持続可能性が高いと考える。
(2)JR西日本による説明
民間企業として、大量輸送性を発揮できていない利用の少ないローカル鉄道に対して、利便性や生産性を高める設備投資などを単独で行うことは困難である。
▽市の意見
設備投資などを単独で行うことが困難とする理由の説明がなかったが、財政的な理由であれば、本市も要望し、全国市長会からの提言にもあるとおり、国の責任でJRを含めた鉄道事業者の持続的かつ安定的な経営が確保できるよう運行経費の支援など積極的な対策を講じていただきたい。財政面以外の理由であれば、その理由を明確に示していただく必要があるのではないかと考える。
■協議の進め方に対する市の意見
市の交通がどうあるべきか考える中で、廃止代替バスや市営バスが厳しい状態であることも把握していただきたい。その上で、交通体系をどう効率的に組み合わせれば、地域内の移動を支えていくことができるかについて、実態を踏まえて協議していきたいと考えている。
問合せ:地域交通課芸備線対策係
【電話】0824-73-1171
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