12月25日、第3回芸備線再構築協議会幹事会が岡山県岡山市で開催されました。
今回は、現在進められている芸備線の可能性を最大限追求するための調査事業について、進捗状況の報告と意見交換が行われました。
■主な内容
調査事業を踏まえて実施する実証事業を通じて「地域経済効果(便益+地域への波及効果)」を試算していくことに加え、芸備線がもたらしてきた定性的な価値について確認し、定量・定性の両面から芸備線の多様な価値や潜在需要を探っていくこととなりました。
そのために必要なデータの収集・分析に向け、今後、沿線住民や来訪者を対象としたアンケート調査をはじめ、観光協会や商工会などといった関係団体への意見聴取などを行います。
その他、JR西日本から芸備線の収支および利用状況に関する最新のデータが公表されました。
■芸備線の収支および利用状況(備中神代~備後庄原間)
▽令和5年度
営業収益0・2億円、営業費用6億円、輸送密度62人
▽平成29年度~令和元年度の平均
営業収益0・1億円、営業費用7・3億円、輸送密度48人
■今後のスケジュール
・令和7年3月頃 第3回芸備線再構築協議会
再構築協議会に関する対応などを市のホームページに掲載しています
本紙を参照ください
■幹事会での市の意見
(1)調査事業
▽市の意見
国は、単に鉄道費用と事業収入(地域経済効果含む)を比較して芸備線の多様な価値や潜在需要を判断するのではないと説明された。この内容は、今後、全国のローカル鉄道の協議の進め方にも影響を及ぼすため、丁寧な説明をお願いしたい。
本市としては、今後実施される実証事業は、数字で表せる定量的な価値だけではなく、数字では表せない定性的な価値についても検証するものと考えており、その点も配慮をお願いしたい。
▽国土交通省中国運輸局の意見
鉄道費用と事業収入を比較し、直ちに結論を得ようとするものではないということは、重ねて説明をしていきたい。
現時点では、定量的な価値を実証するための取り組みが、実証事業の対象と考えているが、庄原市が考える定性的な価値を実証する取り組みを組み込む点については、今後議論していきたい。
(2)芸備線の収支および利用状況
▽市の意見
芸備線は無人駅が多く、広島市の狩留家(かるが)駅以東は、IC乗車券も使えない中で、輸送密度の算出に当たり、定期券や乗車券以外の現金のほか、青春18きっぷなどの企画乗車券の利用をどのように積み上げているか。乗降者や通過者の増分を正確にカウントした上で実績として整理していただけるのか、確認したい。
再構築協議会の設置を要請された背景として、利用状況のほか鉄道事業者として人材確保が困難となっているなどの要因があるのか。
▽JR西日本の意見
券売機などで購入できる乗車券のほか、電子マネーや定期券、車内の運賃収受など、全ての発売実績を積み上げて各線区に按分して算出を行っている。青春18きっぷなどの企画乗車券については、実際に乗った区間の特定が困難であるが、按分で統計的に計算している。
人材確保については、交通業界全体で担い手不足が今後さらに加速することは想定している。一方で、再構築協議会の設置を要請した背景は、それらの事情のみではなく、利用が減少している中で、地域交通全体がこのままでよいのかという問題を提起するため、要請している。
詳しい内容や当日の資料は中国運輸局ホームページに掲載されています
本紙を参照ください
問合せ:地域交通課芸備線対策係
【電話】0824-73-1171
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