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自治体の皆さまへ

~多様性を尊重する社会へ~ 自分らしく生きる

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広島県府中町

令和5年6月23日に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が公布・施行されました。この法律は、性のあり方の多様性について、国や地方自治体、企業、学校などで理解を広げる取り組みを促し、互いに受け入れられる共生社会の実現を目指す内容です。LGBTQ+など性的マイノリティの人は、周囲の理解不足や偏見等により、日常生活で困難や生きづらさを抱えています。誰もが自分らしく生きることができる社会を実現するために、多様な性のあり方について考えてみませんか。

◆性のあり方は4つの要素の組み合わせ
(1)身体の性
どんな身体の特徴があるか

(2)こころの性(性自認)
自分の性をどのように認識しているか

(3)好きになる性(性的指向)
恋愛感情がどの性別に向いているか

(4)表現する性
服装、言葉遣い、しぐさなど

◆色々な性のあり方
「LGBTQ+」とは、次の言葉の頭文字を取った略称で、性的マイノリティの総称として使われることもあります。

[L]レズビアン…心の性が女性で、好きになる性が女性の人。

[G]ゲイ…心の性が男性で、好きになる性が男性の人。

[B]バイセクシャル…好きになる性が男性の場合も女性の場合もある人

[T]トランスジェンダー…身体の性と、自認する心の性が異なる人

[Q]
クイア…性的マイノリティを包括的にとらえる言葉
クエスチョニング…心の性や好きになる性が定まっていない人や、あえて決めていない人

[+]プラス…こうした言葉では表現しきれない、性の多様性のことを表したもの

■府中町パートナーシップ宣誓制度
性的マイノリティである二人が、お互いを人生のパートナーとすることを約束した関係であることを公的に認知する制度です。宣誓書を町に提出すると、受領証と受領カードを交付します。交付された受領証は、町営住宅の入居申し込みの際などに、二人が公的に認知されたパートナーであることを示すことができます。

■中学校での講演会
8月30日、緑ヶ丘中学校で、性的マイノリティへの理解や、自分らしく生きることをテーマに、講演会を開催しました。府中中学校でも同様の講演会を開催予定です。

講師の高畑桜さんが、性的マイノリティ当事者として、自身の経験を語りました。小学校の頃から、女の子が気になる自分は人と違うのではないかと悩み、それを誰にも打ち明けられず、ずっと苦しい思いを抱えていたこと、25歳の時、両親にカミングアウトし、ありのままを受け止めてもらえたこと、それから自分の本音を大事にし、自分らしく生きられるようになったこと。そして生徒たちに「あなたのことを理解してくれる味方は必ずいるから、ひとりで悩まないで」と伝えました。暑さ対策のため、教室とのリモートで行われましたが、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。
その後、高畑さんを交え、教職員の校内研修会を実施しました。高畑さんから「安心して話せる人がそこにいるということが重要。生徒が話しやすい環境・関係性を作るために、まずは受け止め、関心があるということを示し、味方であることを表明することが大切」と講話がありました。その他、熱心なグループ討議や質疑応答など、充実した研修会となりました。

◇生徒の感想(抜粋)
・自分の気持ちを打ち明けられずに生きることは、とてもつらいし、苦しいことだと分かりました。
・私達の見えないところで、たくさんの人が苦しんでいるんだと感じました。
・自分の周りに性的マイノリティの人がいたら、特別な扱いをしたり、差別したりせず、普通に接したり、あたたかい言葉をかけたいと思います。
・自分も、自身の性別について悩んでいたけれど、これからは自分の思う性別でいいのでは、と心から思えました。ありのまま、自分らしく生きていこうと思います。

■interview
○子どもたちに伝えたいこと
まず、「今いる場所が全てではない」ということを知ってほしいです。自分を否定するような関係からは逃げてもいいんです。ただ、その先で、自分自身からは逃げずに向き合い、行動し、いろいろな人に出会い、理解してくれる人を探してほしいです。あなたのことを受け止めてくれる人や、同じ悩みを抱えている人は必ずいます。「あなたはひとりじゃないんだよ。」それは、自身の性のあり方について悩んでいる子だけではなく、すべての子に伝えたいことです。

○すべての人が「自分らしく生きる」ことができる社会に向けて
すべての人にとって「あなたのことを大事に思っているよ」と受け止め、理解してくれる人の存在が大切です。それにより誰もが安心して自分を出すことができ、心が救われます。そういう存在が学校・家庭・地域の中に、ひとりでも多くいてほしいと思います。
「自分らしく生きる」とは、「自分の本音を大事にして生きる」ということです。性的マイノリティに限らず、すべての人が、ありのままの自分を受け止めてほしいと思います。そうしていくことで、周りの人に対しても、相手を尊重し、受け入れられるようになります。学校でも社会でも、お互いに「人と違ってても大丈夫。それはあなたの魅力だよ」って言い合えるような、そういう輪が広がっていけばいいなと思います。

講師:高畑桜(こうはたさくら)さん
LGBTQ+の子どもとその保護者のためのコミュニティスペース「ここいろhiroshima」の共同代表。小学校教員、過疎地域での子育て支援の経験を生かしながら、子どもと子どもに関わる大人のサポートを行っている。

問合せ:人権推進室
【電話】286-3165

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