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ふるさとふちゅう再発見

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広島県府中町

【第34回】府中町で体験、四国お遍路(20)金剛寺(2)
金剛寺では本尊の他に大聖歓喜天(だいしょうかんきてん)を祀っており、「府中の聖天(しょうてん)さん」と呼ばれて親しまれています。大聖歓喜天(歓喜自在天(かんきじざいてん))は四天王、帝釈天、吉祥天、弁財天、大黒天などと同様に仏教の守護神で、商売繁盛(しょうばいはんじょう)、良縁成就(りょうえんじょうじゅ)、子授(こさず)け、合格祈願、就職祈願など絶大な霊験(れいげん)があるとされています。奈良県の生駒聖天(いこましょうてん)(宝山寺(ほうざんじ))が有名で、現住職も宝山寺で修行されました。商売繁盛ということで、お祭りには広島駅東にあった荒神市場(こうじんいちば)の人が多数参拝して賑わい、大根や魚などのお供えが絶えなかったとのことです。かつては広島市民の生活を守った荒神市場で働く人々の信仰を集めていたのです。
金剛寺の主な行事は1月1日からの初詣の祈祷(きとう)。2月3日は星祭(星供養(ほしくよう))での節分の豆まき。3月21日は春彼岸大祭です。8月2日は地蔵盆(じぞうぼん)で、塔婆(とうば)供養・水子(みずこ)地蔵の供養が行われます。10月1日は秋大祭で大般若(だいはんにゃ)の祈祷を行います。「聖天さん」のお祭りはこの時に行われます。12月17日は納大師(おさめだいし)で年越しの行事です。
金剛寺には、水子地蔵や六地蔵も祀られており、これらは先代の力で昭和40年代に整備されました。「数珠繰(じゅずく)り」は、参拝者が大きな数珠を手にして輪になり般若心経を唱えながら回していきます。春の大祭、納大師で行われ、病気平癒などを祈願しました。金剛寺の数珠には寄付者の名前が彫られています。節分の豆まきなどは地域の子供会がなくなり、休止されています。
現在、本堂の正面扉前に御納経箱(ごのうきょうばこ)が置かれ、中には金剛寺のほか、常住されていない「江本寺」「岩谷寺(いわやじ)」の御朱印が入っています。
府中町文化財保護審議会委員 菅 信博

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