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ふるさとふちゅう再発見

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広島県府中町

【第39回】府中町で体験、四国お遍路(25) 正観寺(5)

正観寺の行事、7月には希望者を募って霊峰石鎚山(れいほういちづちさん)の山開きに参拝を行います。石鎚山は先々代住職が修行した地で、7月は山の生命力が最も旺盛で霊気が満る時です。府中町からバスで出発し、竹原からフェリーで愛媛県波方(なみかた)へ、陸路愛媛県西条市の石鎚山真言宗総本山極楽寺へお参りした後に石鎚神社中宮(いしづちじんじゃちゅうくう)の成就社(じょうじゅしゃ)に泊まり、朝5時の開門と同時に山へ登ります。
8月15日は盂蘭盆会(うらぼんえ)で永代合同供養祭(えいだいごうどうくようさい)、第3日曜日に地蔵祭(じぞうまつり)を行い、きゅうり加持(かじ)を行います。これは弘法大師空海がきゅうりに疫病(えきびょう)を封じて病気平癒を祈願したことから始まった祈祷で、きゅうり封じとも呼ばれます。土用丑の日に行われ病気平癒だけでなく厄除(やくよ)け、悪癖(あくへき)を封じるなどの御利益(ごりやく)があるとされています。祈祷の方法は寺院によって少し違いますが、正観寺では呪文(じゅもん)、願主(がんしゅ)の名前を書いた紙できゅうりを包み厄や災難を封じ込め、不動明王(ふどうみょうおう)の前で護摩(ごま)を焚(た)き祈祷します。その後境内(けいだい)のキュウリ塚の前の土に戻します。
本堂横に「水かけ地蔵」が安置されています。浅野藩の祈願所であった頃、広島藩に仕えた女性が婦人病で医者にも見放され途方にくれた時、正観寺にお地蔵さま一基を寄進し、頂に水を灌(そそ)ぎながら全快を祈願したところ、不治の病が治ったと伝えられるものです。
9月中旬には秋季お彼岸お参りで秋季彼岸会(ひがんえ)・永代合同供養祭を行い、10月・11月には七五三祝祷(しゅくとう)を行います。
12月は納(おさめ)観音のご縁日です。31日は年越祭(としこしさい)で除夜(じょや)の鐘をつき108の煩悩(ぼんのう)を払い、一年の垢(あか)を護摩の炎で焼き尽くして新年を迎えます。

府中町文化財保護審議会委員 
菅 信博

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