■ミュージシャン浜田省吾さんも味わった 18年の歳月を経て、江田島の味復活
「久しぶりに”あの味”が食べたいから焼き方を教わって作ってよ」「浜田省吾さんが訪れたお店はこちらですか?」お店の常連や浜田省吾さんのファンからお好み焼き店「だいだい」(江田島町鷲部)で店主の大段佳奈子さんがかけられた言葉です。
“あの味””浜田省吾さんが訪れたお店”は18年前に惜しまれながら閉店したお好み焼き店「高田」(江田島町鷲部)です。大段さんも小さい頃に通ったそうで、母親が「高田」のお好み焼きの大ファンだったこともあり、味を受け継ぎたいとの思いを持っていました。
浜田省吾さんのゆかりの地を整備している市の職員がその話を聞きつけ、「高田」の高田佐千枝さんとの橋渡しを行い、11月1日(水)に「だいだい」で、「高田」のお好み焼きのレシピと焼き方の伝授が行われました。
高田さんは「久しぶりに焼くからどうなるか?」と言っていましたが、巧みなヘラさばきは健在で、手際よくお好み焼きを焼き上げました。
「高田」のお好み焼きの特長は、無塩バターを使用し、麺と野菜を焼きそばのようにソースで炒めることで、しっかりと味が付き香ばしく仕上がり、また、注文を受けてから提供までが早いところです。
高田さんの焼き方を熱心に見ていた大段さんは、指導を受けながら、「高田」の焼き方に挑戦しました。
大段さんは「これから繰り返し練習し、12月10日頃から提供したい。「高田」の味を懐かしむ地元の方や浜田省吾さんのファンの方に喜んでもらえたら」と話してくれました。
高田さんは「地元の方や浜田省吾さんとの縁がきっかけで、味を伝えられた。大段さんには頑張ってほしい。なにかあったら、手伝いに行く気持ち」と笑顔で話してくれました。
■江田島は浜田省吾さんゆかりの地
浜田省吾さんは、小・中学校時代を江田島で過ごした、本市ゆかりのミュージシャンです。浜田さんは、小学生のころ江田島で音楽に触れ、強く魅かれた気持ちを「初恋」になぞらえ、江田島のことを「初恋のきた島」と呼んで今でも大切にしています。1992年には当時の「山田バス停」に再来し、ベンチに腰掛けて写真を撮影しました。
その後、バス停が取り壊されるときに、地元のファンの方々が浜田さんが座ったベンチを現在の鷲部交流プラザと江田島図書館の中庭へ移設し、展示しました。今ではここは浜田さんの「聖地」として、全国から多くのファンが訪れる場所となりました。市では、このベンチを保存し、また、訪れるファンの方により楽しんでもらえるように、この中庭に浜田さんが写真撮影をした当時のバス停の様子を復元する整備をしています。また、周辺のお店でも、浜田さんのファンのおもてなしのために、スイーツや産品の開発などに取り組んでいます。12月10日(日)の江田島図書館祭りでは、復元したバス停のお披露目と、753φ(なごみ)による屋外ミニコンサートを行います。ベンチの見学や鷲部地区のまち歩きに訪れて、浜田省吾さんゆかりの地を再発見してみませんか。
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