■てくてくと、歩み続けて11年の軌跡
峰商事合同会社(大柿町)代表社員CEOてくてくのさつまいも本舗 井上峰志(いのうえたかし)さん
大柿町大原から移転、今年8月に柿浦交差点近くにグランドオープンした「てくてくのさつまいも本舗」。自家製壺(つぼ)で焼く壺やき芋、紅はるかを使った二重焼きなどのスイーツに加えて、手づくりパンの販売を開始した。県内外でも珍しいサツマイモ酵母の生地は、食べごたえと、なめらかさが特徴。定番の食パンやバゲット、菓子パンやバーガーなどの調理パンまで、焼きあがるたびに売れていく。
別事業の車体整備店「カーライフキューティ」店舗の近所に、パン職人の大下さんがいたことからベーカリー部門が実現。「サツマイモの商品を一緒に作っていけたらと、2、3年前から話をしていた」井上さんの熱意が縁を紡いだ。「いいのができた」と、わずか1カ月でサツマイモ酵母を大下さんが実用化。設備や生産体制を整え、新店舗の盛況へと至った。
休日は市外利用者が7割程度だが、平日の割合は市内在住に転じる。若年から高齢者まで利用者層も幅広い。「地元でおいしいパンが食べられるので、ぜひ来ていただきたい。2階のイートインスペースも、お茶会とかで、いい時間を過ごしてもらえたら」と井上さん。近大付属高校のサツマイモプロジェクトへの協力や、鹿児島県の資材店を回った縁で現地に畑を借りサツマイモの病気の勉強など、行動範囲の広さに驚かされる。自らの足で縁を紡ぐ地道な努力が、今の成功の礎となっている。
※サツマイモプロジェクト…近大付属高校とハーバード大学による「食べる緑化」をゴールに生徒主体で計画推進するプロジェクト。
■ETAJIMA GoON!(えたじまゴーオン)とは?
市内で活躍する人やお店をリレー形式で紹介。掲載された人が次の取材先を紹介する、“つなぐ・つながる”がテーマの企画です。毎月中旬頃に更新のA3判(フルカラーPDF版)は写真・記事も増量でお届けします。
※撮影のため、マスクを外した写真を掲載しています
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