“つなぐ・つながる” をテーマに市内で活躍する人やお店をリレー形式で紹介!
■迫製麺所(沖美町)4代目店主 迫寛和(さこひろかず)さん
店舗紹介:昭和18年創業。小麦粉と塩水でこねた生地を使う「天日干し製法」を代々受け継ぎ、2015年から4代目となる。見た目も食感も工芸品のように精緻な仕上がりで、晴れの日に作ることから縁起物として企業からの発注も多い。原材料高騰の昨今、値上げを抑え良心価格で販売する。コシがあり、のどごし良い麺は、子供から高齢者まで広く愛されている。
■この商品を知って良かった、を励みに
冬場は午前3~4時、夏場は5~6時から生地づくり。最低でも2日連続で晴れないと干せない。午前中に麺を段階的に切り終え、合間で天日干しを行う。手作業の面取りや確認後、約1週間で完成する
沖美町出身の迫さん。以前は市外で暮らしていたが父の容態悪化を案じて帰郷。3代目店主の父に粉の配合と麺づくりを数回教わるが、やがて父は帰らぬ人に。店を継ぐため迫さんは岡山県の鴨方(かもがた)※へ勉強に出かけたり、製麺機業者、父の友人の消防団員など頼り、自らの麺づくりを完成させた。
うどん、そば、そうめんの3種類が主力。最近では、委託で製造していた藻塩(もしお)麺※を自社でも販売を始めた。地元の高齢者の購入が主だった昔と比べ、多種少量の食生活への変化で個人購入は減少傾向に。晴れの日に作る縁起物として、内祝や贈答用に企業からの注文が相次ぐ。テレビなどメディア出演も多く、全国ネットのバラエティ番組出演後には受注殺到、発送半年待ちとなったことも。「当時のお客さんが今も注文してくれて。お子さんの高校合格の吉報を聞いたりすると、続けて良かったと思いますね」と迫さん。テレビ出演を見て離郷した人から感想を頂いたり、「江田島市を知って良かったわ、この商品を知って良かった」と直接買いに来てくれるお客さんも。
「長く頑張っているので、ぜひ食べてみて下さい」広報えたじまを読まれる方へメッセージをいただいた。日持ちがするので昔から船乗りにも好まれるそうめんは、遠くの木更津からも注文が入る。
本業の傍ら、江田島市商工会青年部の部長も務める。若手事業者紹介冊子の発行や今後の新商品展開など地域貢献や若手育成も精力的に行う。
※岡山県の鴨方…天日干し製法の麺づくりの名産地
※藻塩麺…冷麦と同じ細さの麺で、呉市蒲刈町の藻塩を使用
▽店舗情報
住所:沖美町三吉482
営業時間:9時~18時
定休日:不定休(自宅のため要問い合わせ)
【電話】(0823)47-0254
広報掲載から翌月頃にA3判フルカラー版を江田島市ホームページで更新します
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