■小さい時から、日常生活の中に、人権の種をまく
去年の6月、あるこども園に出かけました。30度を超える暑さの中、子どもたちは一望に見渡せる園庭で、生き生きと遊んでいました。その時間が終わると、手洗い場に行き、先生にホースで水をかけてもらい、衣服に付いた泥などの汚れを落としてもらっていました。以前なら、その後は部屋に入り、濡れた服を脱いで裸になり一斉に着替えをするところです。しかし、この日は小学生が着替えの時に使っている巻きタオルを着て着替えていました。近年、子どもの性被害の問題がクローズアップされるようになり、これまで見過ごしていたことに気がつきました。自分の身体の大切さを言葉で伝えるだけでなく、プライベートゾーンを他人に見せたり触らせたりせず、日常生活の中で自分の身体を守る意識を根付かせることが大切だと思いました。
また、5歳児の部屋では10数匹のカナヘビに名前を付けて大切に飼育していました。すると、トンボを捕まえてきてカナヘビのカゴの中に入れた子どもがいました。カナヘビはトンボも食べると分かり、園庭で一生懸命追いかけて捕まえたそうです。カナヘビはすぐにトンボを食べました。その様子を見ていた子どもたちも私も、一瞬息をのみました。その後、廊下でその子どもに出会うと、「生き物をカゴに入れて飼うのはできるけど、お世話は大変なんよ」と声を掛けてくれ、トンボも大好きだけど、今はカナヘビをカゴにいれて飼っているから、その命を守っていかなければならないという葛藤があったことを話してくれました。子どもたちが、カナヘビの飼育を通して、命の尊さや命を守るということ、またその産卵・孵化(ふか)を経験し命をつないでいくということはどういうことなのかを、体験を通して学んでいると実感できた出来事でした。
問い合わせ:人権課
【電話】22-2229【FAX】22-2260
<この記事についてアンケートにご協力ください。>