大名蜂須賀家(だいみょうはちすかけ)の歴代の殿様が暮らした居間や表御殿の書院に面して造られた、旧徳島城表御殿庭園(きゅうとくしまじょうおもてごてんていえん)は、桃山様式を顕著に残すものとして昭和16年12月13日に国の名勝に指定されました。武将で茶人(ちゃじん)の上田宗箇(うえだそうこ)作庭(さくてい)とされる枯山水(かれさんすい)と築山泉水庭(つきやませんすいてい)からなる回遊式(かいゆうしき)の大名庭園です。
◆根津 寿夫(ねづ ひさお)館長おすすめ庭園の魅力
◇枯山水(かれさんすい)
南側に位置する巨石(きょせき)を大胆に用いた庭園。鶴島(つるしま)から亀島(かめしま)に架けられた全長10.5メートルの青石橋(あおいしばし)が見どころです。
・青石橋(あおいしばし)…中央に見える割れは初代藩主蜂須賀至鎮(はちすかよししげ)が徳川家より輿入れした氏姫(うじひめ)から毒を盛られ、悔しくて地団駄を踏み割ったという伝説があります。
・鶴島(つるしま)…上向きに尖った石が羽を広げた鶴を連想させます。
・亀島(かめしま)…石が斜めに立ち亀の頭を連想させます。
◇築山泉水庭(つきやませんすいてい)
北側に位置する実際に水のある庭園。波濤(はとう)を表現した石組みが見事です。石伝いに池を渡る楽しみ方もあります。
・石組…東側にある堀川から水を引いていたので、満潮干潮時の水位の変化に対応できるようにたくましい石組です。
◇探してみよう
探検気分で歩いて庭園の魅力を探そう!
・柏槇(びゃくしん)…仙人を象徴する木。現存するのはこの1本のみ。
・陰陽石(いんようせき)…子孫繁栄を願って設けられた。
所在地:徳島市徳島町城内1番地9
開園時間:午前9時から午後5時(入園は午後4時30分まで)
休園日:毎週月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日、年末年始
入園料:大人(12歳以上)50円、小人(6歳から12歳未満)30円
◆徳島城博物館内も見どころがたくさん!
◇常設展示室
徳島藩と蜂須賀家に関する内容を藩政の変遷、大名のくらしと文化、城の構え、城下町のくらし、阿波水軍(すいぐん)の活躍の5つのテーマで構成。
◇企画・特別展示
徳島や蜂須賀家、日本の近世近代の歴史文化に関して様々な角度からテーマを設け、企画展示は年4回、特別展は年2回開催。
◆徳島市立徳島城博物館 根津 寿夫館長からのメッセージ
旧徳島城表御殿庭園(きゅうとくしまじょうおもてごてん)は、殿様が政治を行った表御殿に面して設けられたので、この名があります。殿様の庭として大切にされてきた徳島の宝物です。庭園の隣にある徳島城博物館は、徳島藩と藩主蜂須賀家の資料を展示する専門館です。1年に6回、学芸員が工夫を凝らした展覧会を開催するなど、いつでも蜂須賀家の歴史や美術を楽しむことができるのが魅力です。徳島城博物館ボランティア友の会会員のガイドを聞きながら庭園と博物館をご見学ください。思わぬ発見があるかもしれません。
ご来館をお待ちしています。
問い合わせ先:
公園緑地課【電話】088-621-5295【FAX】088-621-5273
徳島城博物館【電話】088-656-2525【FAX】088-656-2466
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