■ネットワークの重要性とウミガメのご縁
昨年12月8日から10日の3日間をかけて第34回日本ウミガメ会議名古屋港大会が開催されました。交通の便利が良い開催地と、会場がウミガメの研究でも有名な「名古屋港水族館」であることから約350名の参加者で賑わいました。参加者は各地でウミガメに関わる活動を行う団体、水族館、専門学校、大学、自治体関係者から個人的にウミガメが好きな人たちなど様々です。年齢層も幅広い方々が参加されました。この会議では毎年、各地域での活動状況、最新の研究情報から全国から報告のあったウミガメの漂着・捕獲・産卵情報の取りまとめなど、多岐にわたる発表・報告があり、情報源としても非常に重要な会議となっています。それ以上に重要なのは、各地域のウミガメ関係者とのネットワークを築く事です。先月にも書きましたが、広い海で回遊生活をするウミガメを知るためには、1か所の産卵場で得られる情報では不十分です。また、各地域が抱える課題も、多くの人たちと様々な視点からの意見交換によって、思わぬ解決策が見つかる事もあります。そして、今回の会場となった「名古屋港水族館」は美波町と深いご縁があります。繰り返しになりますが、「日本ウミガメ会議」を開催する切っ掛けとなったのは、旧日和佐町で1988年に開催された「日和佐海亀国際会議」です。この会議に出席した当時の若手研究者だった亀崎直樹氏と菅沼弘行氏に対して、国内のウミガメ関係者を集めて情報交換の場を作るように要請したのが、日和佐の地で中学生にウミガメ研究指導を行った近藤康男氏でした。付け加えますと、「日和佐海亀国際会議」に出席された、ジョージ・バラーズ博士も今回の「日本ウミガメ会議」に出席されており、日和佐の地を懐かしんでおられました。さらに、「日和佐海亀国際会議」の開催を世界のウミガメ研究者に呼びかけたのは、その当時「姫路私立水族館」の館長に在籍された内田至氏で、また同氏は当館「日和佐うみがめ博物館カレッタ」開館時の監修を手掛けられています。その後、「名古屋港水族館」の初代館長として着任されるなど、「ウミガメの聖地」である美波町とは深いご縁のある開催地なのです。
館長:平手康市
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〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦369うみがめ博物館カレッタ「質問係」
■Question
ウミガメに歯はありますか?
■Answer
ウミガメを含めて現代を生きるカメの口は鳥のクチバシの様な形になっていて、歯はありません。しかし、約2億4千万年前の原始的なカメ類のパッポケリスの口には細かい歯がありました。
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