太平洋(たいへいよう)に面する美波町では多くの生き物たちが生息(せいそく)しています。このコーナーでは実際(じっさい)に撮影(さつえい)してきたリアルな写真と共にいろんな生き物たちをご紹介(しょうかい)します!
■フジツボ
今回は、堤防や岩礁、ブイ等によく見られるフジツボをご紹介します。
フジツボは、貝の仲間のように思われがちですが、実はエビやカニと同じ甲殻類です。幼生の特徴や脱皮を繰り返して成長すること、足(蔓脚())に節があることなどが甲殻類に共通しています。殻は6枚の板で囲まれ、体内には食道、胃、腸などの消化器官がありまんきゃくます。また、フジツボは雌雄同体という特殊な体で、それぞれの個体が互いに細長い生殖器を伸ばし、届く範囲の個体と交尾をして精子を交換します。受精した卵は殻の中で育ち、孵化するとノープリウス幼生として外に出てきます。その後キプリス幼生に変態し、水中を動きまわって固着場所を探します。一度固着すると動いて繁殖相手を見つけることができないため、すでに他の個体が固着している場所を探します。いい場所が見つかると触角からセメント状のものを出して体を岩場などにくっつけ、一生をそこで過ごすのです。
ダイバー:長楽美保
<この記事についてアンケートにご協力ください。>