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徳島水平社創立100周年を迎えて

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徳島県美波町

■「水平社宣言」とは
2022年(令和4年)3月3日で我が国初の人権宣言である「水平社宣言」が出されて102年を迎えました。この宣言は、1922年(大正11年)3月3日、被差別部落の人々が差別からの解放を目指して創立した「全国水平社」の創立大会で読み上げられました。
宣言の原文には、長い歴史の中で不当な差別を受けてきた人々の痛切な思いとともに、すべての人があらゆる差別を受けることなく、人間らしく生きていける社会の実現を願う気持ちが込められています。
また、結びの一文には「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と、人間の尊厳と平等への願いが高らかに謳いあげられています。
水平社宣言に込められた被差別の立場にある人々の願いに思いをはせるとともに、次世代を担う子どもたちのためにも、すべての人の人権が尊重される心豊かな社会の実現を目指し、一人ひとりが差別をなくす行動を続けていくことが大切です。

■徳島水平社創立へ
明治から大正時代になり、人々の自由や平等を求める運動が勢いを増す中、それまで長い間、厳しい差別に苦しみ、耐えることを強いられてきた被差別部落の人々は、差別からの解放を求める運動を進めていきました。
そして、1922年(大正11年)1月24日に全国水平社を結成し、その創立大会でわが国で初めての人権宣言と言われている「水平社宣言」が読み上げられました。その後、全国水平社が創立されて2年と11カ月後、1924年(大正13年)12月24日に徳島市近郊(当時)の青年が中心となって徳島水平社が創立されました。

■100年前の部落差別の状況は
明治維新後の1871年に身分制度の廃止を命じる「解放令」が出されてから半世紀以上が過ぎていたにもかかわらず、被差別部落の出身というだけで、いわれなき激しい差別は公然と続いていました。
法令面では平等になっても、社会の感覚や差別意識は何も変わらず、日常生活で面と向かった差別があり、被差別部落の人だけではなく、障害のある人や病気の人に対しても侮辱的な言葉を投げかけたり差別をすることを特別に悪いことだと認識されていませんでした。
徳島水平社創立の中心人物である井藤正一さんの日記には、当時の差別事象と差別解消に取り組む様子が残されています。

■100年を迎えて
私たちが住む徳島に水平社が創設されて令和6年12月24日で100年になりました。
しかし、100年がたった今でも、部落差別はなくなっていないばかりか、社会情勢の変化に伴い、インターネットやSNS上での誹謗・中傷、ヘイトスピーチ、性的マイノリティや障がいのある方への偏見や差別的扱いなど、新たな差別も起きています。
今を生きる私たちに求められていることは、差別が今も存在している事実に向き合うとともに、常に正しい知識を学ぶことで、一人ひとりが「差別をしない・させない・許さない」という強い気持ちを持つことです。
その上で、次世代を担う子どもたちのために、あらゆる差別がない社会を実現するよう行動していくことが大切です。
水平社宣言の理念は、これからも色あせることなく、私たちが継承すべき財産だと思います。差別のない社会の実現に向け、町民一人ひとりが、人権問題に向き合い、関心を寄せ、今後も努力を重ねていきましょう。

町民一人ひとりが相手を思いやり、多様な価値観を認め合う社会をめざしましょう。
「心温かい人々が暮らす、にぎやかな過疎の町」美波町であり続けるために人権について考え守っていくことがまさに、“にぎやかそ”美波町まちづくりにつながります。このコーナーでは人権に対する思いを掲載していきます。

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