阿波町善地 おおつか内科 大塚晋作(おおつかしんさく)先生
11月8日現在、インフルエンザが猛威をふるっており、学年閉鎖や学級閉鎖も散見されます。今年は例年より早くインフルエンザ感染者数が急増しています。今後も増え続けることが予想されます。今年の阿波市の感染症流行は例年と異なる印象で、流行の季節に左右されず、複数の感染症が連続して子供たちを中心にはやっている印象を受けます。一度はやりはじめると瞬く間に広がってしまう印象です。少し前までプール熱(アデノウイルス)が大流行していました。(県外では引き続き流行中です)
一番の原因とされているのが、それぞれの感染症に対する免疫力の低下です。コロナに対して社会全体で行なった感染対策により、コロナ以外の感染症もずいぶん減りました。インフルエンザ感染症は海外渡航者も制限されていたことから、2021-2022シーズンは、当院ではほとんど感染者を診ることもありませんでした。感染の機会が減ることにより、今まで自然に獲得されていた免疫の低下が起こり、おのずと集団免疫力も低下してしまい、感染原因のウイルスがいったんこども園や学校に入り込むと、集団感染を起こしてしまうのではないかと推測されます。これは会社や施設などでも同じと考えられます。
規則正しい生活と適度な運動、バランスのとれた食事で免疫に活力を与えることを促し、基本的な感染対策の徹底と、インフルエンザなどの予防接種が可能なものは積極的に行っておくべきだと考えます。
新型コロナウイルスの感染ピークが今冬に再燃するとの危惧も報道されています。インフルエンザとの同時流行が発生した場合、県内の医療機関で対応しきれない場合も想定されます。現在、さまざまな要因が関連するため、慢性的な薬剤不足(特に鎮咳剤・去痰剤など)は解消されないようです。満足いただける医療を提供できるように、日々精進していますが、流行疾患の予防ができるのであれば、それに越したことはなく、引き続き可能な限り皆さまも感染対策を忘れないように生活をしていただければ幸いです。
このコーナーは阿波市医師会・阿波歯科医師会・板野歯科医師会のご好意により提供いただいた原稿を掲載しています。
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