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うちのお医者さん[167]視神経乳頭陥凹(かんおう)と緑内障

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徳島県阿波市

吉野町西条大串医院 大串淳子(おおぐしじゅんこ)先生
人間ドックや健康診断で「視神経乳頭陥凹拡大」と指摘されたことがないでしょうか?聞きなれない言葉ですが、これは「緑内障の疑い」があることを意味しています。
緑内障は視野が狭くなり失明につながる病気で、原因として眼圧の高さが指摘されますが、正常な眼圧で発症する緑内障も多く、視神経の異常が原因といわれています。視神経は網膜に映った情報を脳に伝えており、眼底の中心よりやや鼻側から眼球の外に出ていきます。その部分が視神経乳頭で、その中央にある白いくぼみが視神経乳頭陥凹です。だれにでも見られますが、陥凹の割合が60〜70%以上になると拡大していると判断され、要精査となります。
視神経が障害されて線維が少なくなり陥凹が大きくなる病気の代表が緑内障ですが、陥凹の大きさには個人差があり、陥凹が大きいことが必ずしも緑内障ということではありません。そのため緑内障か、そうでないかを検査する必要があります。

■眼科では次のような検査が行われます。
(1)眼圧検査
眼に圧縮した空気を吹き付けて測る機械や、眼に直接機械を接触させて測定する方法などがありますが、10〜20mmHgが正常値とされます。
(2)眼底検査
視神経乳頭の陥凹の大きさや形、乳頭出血の有無を判定します。
(3)OCT(光干渉断層計)
視神経乳頭や網膜の神経線維の厚みを測り、視神経の障害の程度を判定することで緑内障の診断や進行を評価します。
(4)視野検査
1点を見つめた時にどのくらいの範囲が見えるかを調べる検査で、緑内障の診断や進行具合を判定する重要な検査です。

緑内障は自覚症状が少なく病気が進行するまで気づきにくいので定期的な検査で早期発見して、治療を始める事がとても大切です。

このコーナーは阿波市医師会・阿波歯科医師会・板野歯科医師会のご好意により提供いただいた原稿を掲載しています。

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