阿波町勝命 川人医院 深田君代(ふかたきみよ)先生
今回このコーナーの順番が回ってきて、すごくありがたいタイミングで私事ながら皆様にご挨拶をさせていただきます。実は川人医院を3月で閉じさせていただこうと思っております。
私は昭和60年に、高齢となった父の医院(内科・川人医院)の片隅で眼科の診療を始めました。川人医院は昭和9年に父が開設、それからもう90年この地で医療を続けさせていただきました。父は産婦人科の診療もしており、「母が入院してたよ」と思い出話をしてくださる方もいましたが、私の眼科は最初から小さな小さな診療所です。そんな私の診療所の役割は何だったのか。自分ができることとできないことを見極める。そして、患者さんの状況に応じてどうして差し上げれば一番良いか考える。そうしたことでいつの間にか私の川人医院眼科も38年経ちました。
その間に日本の社会もどんどん変わっていきました。診療所の窓口からみても、いくらでも働き口があり、活気があり、多くの女性が本人の保険証を持っていた時代から、グローバル化などという掛け声で、あっという間に周りの会社がどんどんつぶれて、本人の保険証から継続の保険証、家族の保険証へ、そして保険証がない方も。現在、日本社会は元気がなくなりました。一方マイナ保険証とかデジタル化などで小さな診療所は対応できず閉じることもあり、近所のお店がなくなったという昔の構図に似てきています。
閉院のお知らせをすると多くの患者さんが寂しがってくださったり、困惑されたりで申し訳ないです。どうか糖尿病や緑内障の定期健診、コンタクトレンズの定期健診もきちんとしてください。自己管理が大事です。また、ワクチン接種後体調不良を訴える方も多いですが、しっかり情報収集し判断してご自分の健康をお守りください。
長年本当にお世話になりました。どうか皆様元気に健康寿命を延ばし、生活の質を保ってお過ごしくださいますように祈念いたします。
このコーナーは阿波市医師会・阿波歯科医師会・板野歯科医師会のご好意により提供いただいた原稿を掲載しています。
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