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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■かんきつ苗の植え付け方法
3月~4月初旬は、カンキツ類の苗の植え付けの適期です。永年性の植物なので一度植え付けると数十年は同じ場所で栽培することになります。植え付ける場所や植栽間隔はカンキツ品種の特性によります。今回は、カンキツ苗の定植方法と注意点について解説します。

◇1 植付け時期
苗の植付けは、地植えで掘り上げた苗は、春先の新芽(芽は葉の付け根にある)が膨らみ始めるまで(3月中旬~4月上旬)に終えましょう。鉢植えの苗は、いつ植え付けてもよいですが、新芽が伸び始めると芽を傷めるので芽の出る前がよいでしょう。

◇2 植付けの手順
(1)あらかじめ、苗を植え付ける場所に直径80~100cm、深さ40~50cmの穴を掘り、掘り上げた土に市販の堆肥や腐葉土を混ぜて埋め戻すか、または、掘り上げた穴の底に堆肥や肥料を入れて土を埋め戻します。
(2)埋め戻した穴の中心に苗の根を広げ、根が埋まるまで土をかけ、同時に苗の周りに水をたっぷりため込み、幹をゆすり土と根に隙間ができないように密着させます。
(3)掘り上げた土は、降雨等で沈下するので、苗を中心に沈下を見越して盛り土としますが、台木部分が完全に埋まらないように注意しましょう。水やりの水が流れ出ないように苗の周りに土手を作り、土の乾燥防止に敷き草や敷きワラを行い支柱で苗を固定します(図1、写真1参照)。
(4)土の掘り上げは手間ですが、根の周りの土が柔らかく排水がよくなるので、植え付け後の根張りがよくなり生育が進みます。本数が多い場合は、バックホウなどの重機で穴を掘ると効率的です。

◇3 植え付け間隔の考え方
カンキツ類の植え付け間隔は、例外を除き、2m~4m間隔が一般的です。2mや1.5m間隔の場合、樹の本数が多くなるので、早くから収穫量が増加しますが、数年後には樹が込み合い作業能率や収量が頭打ちになるので間伐が必要になります。樹の間隔を3m、列の間隔を4mにすれば間伐を先延ばしにすることも可能になりますが、経済栽培を行うなら2m×4mの間隔で植えて、初期収量を確保しながら、2m間隔の樹を数年後に間伐することをお勧めします。ただし、レモンやユズ、甘夏柑などの強勢で樹が大きくなりやすい品種は5m間隔での植栽がよいと思われます。

◇4 植え付け後の管理
植え付け後、降雨がなければ、活着までは1週間おきにたっぷり潅水を行いましょう。新芽が5cm以上伸びたら、1節(葉の付け根)に芽が1本になるよう芽かきを行います。新芽にアブラムシやケムシの寄生が見られる場合があるので、発生が見られたら手で除去するか農薬で防除しましょう。植え傷みで落葉することがまれにあります。葉が全部落ちた場合は、そのうち芽が出てきますが、葉をつけたまま枯れた場合は苗が枯死しているので、植え替えが必要です。

※詳細は本紙をご覧ください。

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