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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■イノシシ被害を防ぐためには?
かんきつ類の成熟期を迎えイノシシが園地周辺を徘徊した形跡が頻繁に見られ始める時期となりました。上島町では、平成16年頃からイノシシの生息が確認され無防備では農作物での被害が出始めたため、対策の基本となる「守る」「捕獲する」「生態を知る」を実践してきました。かんきつ被害が増加する前に対策のポイントについておさらいします。

◇[1]イノシシの行動特性
イノシシは警戒心が強く、臆病だが夜間や身を隠せる安全な場所では大胆に行動する。成獣の雄は単独、雌は子を連れて行動することが多く集団で加害されると被害が大きくなります。学習能力が高く、光や音、臭いなどによる忌避資材は、設置直後は効果がありますが「慣れ」により効果は長続きしません。ジャンプ力は最大120cm、鼻で70kg程度のものを持ち上げる能力がありますが潜り込む習性の方が強いようです。

◇[2]イノシシ対策のポイント
前記の行動特性を踏まえた対策の注意点を記述しました。

(1)畑や近くの山に「えさ場」を作らない
イノシシは雑食性で、野菜残渣や腐敗カンキツなどを畑近くのヤブなどに捨てない。また、収穫残渣(根や腐敗果実など)を畑に放置しないなど「えさ場」として引き寄せる原因を作らないことが重要です。

(2)園地周辺に雑草や雑木による茂み(ひそみ場)を作らない
身を隠せる茂みは、行動を大胆にし、獣道として利用します。山際から園地の間の雑草を繁茂させないことで、目通しを確保し、警戒心を与えることで園地への侵入の探索行動を牽制することができます。

(3)防護柵のチェックと根気よく侵入路を断つ
メッシュの劣化(さび)により溶接部の引っ張り強度の低下がないか点検する(メッシュをくわえて引っ張り潜り込む)。侵入されても侵入場所を補強して侵入を繰り返さないことが重要です。劣化等の補強について上島町鳥獣害防止対策事業補助金のなかに施設更新事業(メッシュは耐用年数14年以上、電気柵は8年)も盛り込まれていますので役場にご相談ください。また、電源確保や雑草等による漏電防止が難点ですが電気柵は痛みを与える点から学習能力の高いイノシシには有効です(図1参照)。侵入を許すことで学習により柵を突破されやすくなるので弱点を見せないことも必要です。

(4)捕獲や行政支援の活用
農地や人家近くへ出没するイノシシは学習が進んでいると考えられ、こうした個体は捕獲により駆除することで被害が減少します。ただし、捕獲罠は種類を問わず狩猟免許が必要になります。柵の新規設置の補助や狩猟免許、捕獲に関するご相談は上島町農林水産課または愛媛県今治支局地域農業育成室上島町駐在(岩城)までお問い合わせください。

※詳細は本紙をご覧ください。

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