8月5日、「ふるさと夜市」がコロナ以前の本格的な内容として、4年ぶりに実施され、久しぶりに里帰りした皆さんや若者たちの笑顔に出会うことができました。
8月6日にはNHKの巡回ラジオ体操が岩城地区で開催され、早朝にも関わらず、参加者は500名を超えていました。このラジオ中継は日本全国のみならず世界中にも発信されましたので、積善山の桜などの上島町の美しさが広く伝わったものと感謝しています。
8月8日には愛媛県庁において、カンボジアへの救急車贈呈式がありました。これは上島町が新たに救急車を購入したことから、それまで使用していた救急車をカンボジアに譲り、役立てていただくことが目的です。今回で2台目であり、前回の車両はインドネシアで活躍しています。
8月18日、日本政策金融公庫新居浜支店・上島町商工会・上島町の三者で連携協定の締結式を行いました。この協定の目的は、上島町に安心して移住してもらえるよう三者が連携を密にし、地域経済の維持・発展につなげることです。具体的には、移住・創業前の融資等相談や創業後の経営指導、金融融資後のフォローアップ、町内業者とのつなぎ役など、包括的な伴走支援を行います。
8月22日には、知事との意見交換会に出席し、上島町や各地区からの要望活動を行いました。意見交換においては、上島町で7月より試験利用を開始している生成AIに関して、愛媛県側の協力を要請しました。上島町においても生成AIは町民の皆さまへのサービス向上はもとより、行財政改革に大きな効果をもたらすDXですので、改善を重ねながら今後の行政運営に活用してまいりたいと思います。
8月31日から9月2日まで、町村会の行政視察で韓国を訪問しました。韓国政府が関わっている韓国観光公社・総務省が管轄する自治体国際化協会クレアソウル事務所・国土交通省管轄の日本政府観光局など説明研修を受け、アウトバウンドへの取り組みやインバウンド対応等の情報を得ることができました。今後はこの行政視察の内容に照らし、適宜、上島町の行政運営に活かしてまいります。
なお、私たちが搭乗した松山空港と仁川空港を結ぶチェジュ航空便は行きも帰りも満席と人気があり、現在の週5往復運航が、10月29日から1日1往復運航に増便されますので、機会があれば町民の皆さまのご活用をお願いいたします。
さて、国の来年度予算概算要求基準が7月25日に閣議了解されました。岸田政権の「新しい資本主義」の実現に向けた「重要政策推進枠」は少なくとも4兆円超となり、その特別枠の対象である少子化や物価高騰対策へは、金額を具体的に示さない「事項要求」が認められています。
8月30日の時点では、各省庁からの財務省への概算要求総額が過去最大の114兆円前後に達する見通しであり、例年以上に厳しい予算編成が予想されますが、上島町においては国民生活を圧迫している物価高騰対策に引き続き注視し、適宜適切に対応してまいります。
一方、上島町の財政状況については、地方公共団体の財政が健全かどうかを判断する4つの指標の中に、公債費への財政負担と資金繰りの程度を示す「実質公債費比率」がありますが、令和4年度決算における上島町の数値は13.3%となり、前年より0.4%の増加となりました。
これは、令和元年度前後に借り入れを行った地方債の元金償還が令和4年度に開始されたことにともない元利償還額が増加したことや、普通交付税や臨時財政対策債が減少したことが要因です。
また、7月28日に愛媛県より普通交付税の交付額の決定通知があり、令和5年度の上島町への普通交付税は32億6304万5千円でした。令和4年度が32億9989万2千円でしたので、3684万7千円の減、1.1%の減額となっています。
その要因は、普通交付税の額を合理的に測定するための本町の基準財政需要額が、地域社会のデジタル化を推進するための経費として、マイナンバーカードの保有枚数率に応じ割り増し算定された「地域デジタル社会推進費」や、公共施設の光熱費の高騰への対応のための「包括算定経費」において、それぞれ前年度に比べて増加いたしましたが、過去に発行した地方債の償還終了による「公債費」の大幅な減などによるものです。なお、愛媛県市町分においては平均1.9%の減でした。
結びに、上島町の一般会計歳入の約半分を占める地方交付税が減少しているという財政状況は、その都度報告させていただいております。
今後も、余裕のあるうちに先んじて改善を行うことで、町民の皆さまの楽しみを持続させることはもちろん、将来の子ども達にも明るい未来を残さなくてはなりません。
そのためにも、身の丈に合った財政運営に努めるとともに、特別会計等使用料の見直しなど、将来的には町民の皆さまに痛みをともなう施策を提案する場面も出てくるかもしれませんので、議会や町民の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
上島町長 上村俊之
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