かみじま郷土話 19

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■宮座式と夜殿式(夜殿祭)
愛媛県において一昨年度から、県内のお祭りや行事を調査する事業が開始されました。
私は弓削島を担当し、地域の人たちからお話を聞いたり、実際にお祭りや行事に参加させてもらったりしながら調査を進めることができました。弓削島だけでも実に多くの行事が行われていることがわかり、県外出身の私にとっては初めて聞く行事などもあり、新鮮な気持ちで調査を行うことができました。
調査対象の中には、地域の特色を表すお祭りや行事があり、重点的に調査を行いました。その中には、弓削島と佐島で行われている神事のひとつである、宮座式と夜殿式(夜殿祭)がありました。県内では、弓削島と佐島のみに見ることができる特徴的な神事であり、上弓削地区の高浜八幡神社、下弓削地区の弓削神社、佐島の八幡神社の秋祭りで行われています。神社によって違いがありますが、高浜八幡神社や佐島の八幡神社では列座形式をとって相対する者同士が順に神酒を飲んでゆくなど、中世祭祀の要素を引き継いでいると考えられており、中世荘園である弓削島荘との関連などをうかがうことができます。
この数年は新型コロナウィルス感染症の影響もあり、中止や縮小となったお祭りや行事がありました。現在は、少しずつ開催される行事が増えてきたので、皆さまからお話を伺いながら、さらに調査を続けたいと考えております。

担当：教育課　曽根大地