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かみじま郷土話 20

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愛媛県上島町

■塩田による塩づくり
上島町が属する瀬戸内海式気候は、雨が少なく、カラっとした晴の日が多い特徴があります。その気候を生かして、町の島々では古くから塩田による塩づくりが行われてきました。弓削島では、大田林の塩浜や高浜八幡神社において、中世の揚浜式塩田の遺構である浜床が見つかっていますが、どうやって塩田から塩を取り出していたのでしょうか。
揚浜式塩田の場合は、海岸近くの海水が流入してこない高所に塩田を造成します。塩田には、海砂が撒かれており、その下部には浜床と呼ばれる粘土を突き固めた硬質な土層が造成されています。汲み上げてきた海水を塩田に撒いて天日干しを行うのですが、浜床が下部にあるので、撒いた海水が下層に流れていくのを防いでくれます。そうして、海水の水分が蒸発すると、海砂に塩分が付着し、鹹砂(かんしゃ)が出来上がります。しっかり乾かした鹹砂をかき集め、沼井(ぬい)と呼ばれる木枠の桶に投入し、それを海水で洗うことにより、鹹砂に付着した塩分が海水と共に流れ出て、塩分濃度が高い海水である鹹水(かんすい)を取り出すことができます。
鹹水を釜で焚くことにより、ただ単に海水を煮詰めるよりも多くの塩を得ることができます。海から塩田まで海水を運搬するなど、塩田による塩づくりは大変な重労働でした。しかし、こうした工程を経ることにより、当時としては貴重な薪などの燃料を節約することにつながっていました。

担当:教育課 曽根大地

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