■身近な肉食怪物「アリジゴク」
今月22日から第56回特別展「怪物昆虫」が始まります。今年は、怪物のような姿や驚くべき生態をもつ県内の昆虫に焦点を当てた展示です。愛媛にこんな虫がいるの⁉と驚くこと間違いなし。ここでは身近な怪物昆虫、アリジゴクを紹介します。
アリジゴクと聞くと、すり鉢状の巣を作ってアリを引きずり込むイメージが強いと思います。ところが、巣を作る種はかなりの少数派。砂地などに浅く潜って獲物を待ち伏せする種がほとんどです。発達した大アゴでエサを捕らえますが、唾液には毒が含まれ、咬まれた昆虫は動けなくなってしまいます。毒はあのフグ毒の130倍強いとされていますが、節足動物に効く毒ですのでご安心を。
愛媛からは14種のアリジゴクが知られています。中でもオオウスバカゲロウは、大アゴを含めると3cmほどにもなる日本最大の種類で、まさに怪物。全国的に少なく、愛媛では70年ほど見つかっていません。
アリジゴクが潜むのは神社の境内下や、環境の良い砂浜、河川敷などさまざま。この夏は近所で身近な怪物昆虫を探してみませんか?(安田)
▽学芸員のつぶやき
アリジゴクの巣穴にアリを落として遊んだ人も多いのでは?巣穴を作らないアリジゴクを採集する際は、茶こしやザルで、砂地に生えた植物の根ぎわの砂を振るいましょう。
問い合わせ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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