■土偶と石偶(6) DOGU and STONE figurines
石偶が土偶の祖形(モデル)ではないかという説を紹介してきましたが、この変換は、縄文時代草創期前半から後半にかけての出来事になります。
この縄文時代草創期は最近の研究では概ね1万6500年前から1万1650年前とされています。縄文時代は約1万3千年ほどなので、約3分の1を占める長い時代です。
地球の気候上、最後の氷河期と考えられる時代でもあります。
上黒岩岩陰9層(草創期前半)と6層(草創期後半)では、おそらく気温が約5〜6℃違っただろうと考えられています。
地球規模での劇的な気候変動の中に、石偶から土偶へのモデルチェンジは位置づけられる可能性が高いわけです。(遠部)
・縄文時代の気候(『上黒岩遺跡の研究』を改変)
▽学芸員のつぶやき
現在温暖化への対策が課題となっていますが、今、世界は縄文時代以降、最も気温が高くなろうとしています。
問い合わせ:久万高原町教育委員会(上黒岩考古館)
【電話】21‒0139
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