■ゲンゴロウのはなし
皆さんは「ゲンゴロウ」を見たことがありますか?ゲンゴロウは体長4cmを超すこともある大型の水生コウチュウで、泳ぐ姿は迫力満点です。愛媛では約40種のゲンゴロウの仲間が確認されていますが、そのほとんどは体長10mm以下。2mmクラスも珍しくない、小さな種ばかりです。そんな中、破格の巨大種とも呼べるこの虫は、全国的に個体数が激減し、愛媛県からは30年以上見つかっていません。県内ではこの他に20種のゲンゴロウ類がレッドリストに掲載されています。
しかし、ゲンゴロウにそっくりなコガタノゲンゴロウという種は最近個体数を増やしています。かつては県の条例によって採集が禁止されるほど少ない虫でしたが、この10年ほどで目撃情報が増え、県内各地での繁殖が確認されました。なぜ急激に増えたのか、はっきりとは分かっていません。この虫は高い水温を好むため、地球温暖化が影響しているとも言われています。
町内の水田は、ゲンゴロウの仲間が泳いでいることも多いです。冬には学校のプールや貯水マスなどで越冬しているかも。(安田)
▽学芸員のつぶやき
今年はコガタノゲンゴロウが町内でも数カ所で見つかりました。暖かい場所に多い虫ですが、寒い久万高原の冬を乗り切ることはできるのでしょうか。
問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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