■企画展の裏側(2)
当館では企画展開催時に必ず作成している印刷物があります。一つは、作品写真や論考などを掲載した図録です。展覧会の醍醐味は、作品や資料を直接見ることです。しかし、会期が終わるとその展覧会を見ることはできません。そこで活躍するのが図録です。展覧会が終わった後も図録は残ります。どのような展覧会を行ったのか記録するためにも、図録の作成は重要です。
図録を作成する際は、ただ画像や文章を掲載するのではありません。「ブックデザイン」といって、表紙の装丁はもちろん、中身の文字、紙、インクなど、本全体をデザインします。
もう一つは、ポスターやチラシです。本企画展ではポスターに蛍光インクを使用し、チラシは作品本来の鮮やかな色彩を活かすデザインに仕上げました。
これらの印刷物は、学芸員一人の力では作れません。出品作家やデザイナー、印刷会社、写真家など、多くの方と協力して作り上げます。たくさんの人の思いが詰まった印刷物、ぜひお手に取ってじっくりご覧ください。(本田)
▽学芸員のつぶやき
図録はモノクロの図柄が描かれたカバーをめくると、カラフルな本が出てくる仕掛けです。また、ポスターとチラシは表裏一体になっています。
問い合わせ:久万美術館
【電話】21‒2881【HP】http://www.kumakogen.jp/site/muse/
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