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【ふるさと魅力発信】久万美術館

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愛媛県久万高原町

■「開館35周年記念 久万美コレクションにみる顕神の夢」(2)
穏やかな湖面に、なだらかな山、静かな空。『芦ノ湖』は、画面全体から静謐な印象を受けます。しかし、同時にどこか圧倒的な存在感が見る者に迫ってきます。
作者の古茂田守介は、18歳で絵を描き始め、以後制作に打ち込みました。1954年、結核に罹患。生来の喘息の心配もあり、そこからはアトリエにベッドを持ち込んでの制作となりました。医者から絵を描くことは止められますが、どうしても描かずにはいられず、許可をもらって身近なものをデッサンしていたといいます。
病と闘いながらの日々でしたが、1959年には写生旅行の講師として箱根方面を訪れました。翌年、その旅行でのスケッチをもとに『芦ノ湖』を描きますが、42歳という若さで死去します。本作は絶筆とされており、静かな画面ながらも、画家が生涯をかけて対峙した「絵を描くこと」への切なる思いが伝わってきます。
現在、美術館では『芦ノ湖』のほか、そのもととなるスケッチも展示中です。描くことの喜びを感じさせるスケッチと、その思いが最後に結実した『芦ノ湖』両方併せてご覧ください。(品川)

▽学芸員のつぶやき
3月23日は開館記念・無料開放デーです。美術館から足が遠のいていた方も、この機会にぜひご来館ください。

問い合わせ:久万美術館
【電話】21‒2881【HP】http://www.kumakogen.jp/site/muse/

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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