■「久万美の原点―洲之内徹」(1)
9月14日より、町立久万美術館開館35周年記念2024年度自主企画展「久万美の原点―洲之内徹」が始まりました。
当館の根幹をなす「井部コレクション」の多くは、松山市出身の美術評論家・洲之内徹(1913-1987)が経営していた現代画廊から購入されています。この度、現代画廊ゆかりの作品約70点が、個人コレクター4氏から当館に寄贈されることとなりました。本展では、その作品をご紹介します。
洲之内は画廊経営の傍ら、『芸術新潮』誌上で、美術エッセイ「気まぐれ美術館」を14年にわたり連載しました。画廊と連載、両方を通じて、独自の視点から数多くの作家を紹介しています。森田英二(1941-2006)は、洲之内が発見し、育てようとした作家のひとりです。森田の絵には「途方もない逸脱、その放胆さ」があるとしながらも、「こんな素晴らしい絵を、君以外の誰が描けるというのか。そして、私たちは、こんないい画家を絶対に失いたくないのである」と、激励する文章を残しています。
洲之内の「眼」によって選ばれた、これまであまり光が当たってこなかった作家たちの作品を会場でお楽しみください。(品川)
▽学芸員のつぶやき
今年5月と8月に、『洲之内徹ベスト・エッセイ』2冊が筑摩書房から刊行されました。ぜひお手に取って洲之内独特の語り口を味わってみてください。
問合せ:久万美術館
【電話】21‒2881【HP】http://www.kumakogen.jp/site/muse/
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