■紫金山・アトラス彗星
今年の秋、2023年に発見された「紫金山・アトラス彗星(C/2023A3)」が地球に接近してきます。今回はその彗星のお話です。
紫金山・アトラス彗星は、2023年に中国の紫金山天文台と南アフリカにあるATLAS望遠鏡で発見された非周期彗星(戻ってこない彗星)です。発見当時は2024年10月にかなり明るくなり、肉眼でも見ることのできる大彗星になるのではと多くの人の期待が寄せられていた彗星でした。
しかし、2024年7月にこの彗星の核が崩壊しているのではないかとの査読前論文が発表されました。実際に観測結果では4月ごろに急に明るくなったため、その頃に核が一度分裂を起こしたと考えられています。しかし、そうではないのではとの見解もあります。実際の観測結果では順調に明るくなってきており、肉眼で見える2等ほどまで明るくなるという予測が出ました。肉眼で見えるほど明るくなれば10月初旬の夕方西の空低いところに見えるでしょう。
肉眼での彗星観察ができるよう祈りましょう。(重藤)
▽学芸員のつぶやき
彗星はかなり予想が難しく崩壊して見えなくなってしまうことがよくあります。今回もきれいに見えるかは直前まで分かりません。彗星の動向を見守りましょう。
問合せ:天体観測館
【電話】41‒0110【HP】http://www.kumakogen.jp/site/astro/
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