■日本最小のクワガタ
9月に入りだいぶ涼しくなってきました。カブトムシやクワガタムシはめっきり少なくなりましたが、コクワガタなどはまだ街中の灯りに飛んでくることもあります。コクワガタは名前のとおり体長2〜4cm前後の小さい種です。しかし、それよりもはるかに小さなクワガタが存在するのです。
その名はマダラクワガタ。肝心の大きさはなんと5mm!だいたい小豆くらいのサイズで、もちろん日本最小のクワガタムシです。翅(はね)に毛束がまばらに生えていることからその名が付けられました。オスの大アゴも小さく、知らないとまずクワガタムシには見えません。小さい体に加え、一生をほぼ朽ち木の中で過ごすため、見たことがある方は少ないと思います。
なかなか出合う機会が少ない本種ですが、北海道から九州の各地に生息する日本固有種です。県内では石鎚山や面河渓をはじめとした山地での記録があります。登山中に、倒木でもぞもぞ動く物体があれば、マダラクワガタかもしれません。(安田)
▽学芸員のつぶやき
マダラクワガタを採集する際は、赤っぽい色をした朽ち木を崩して探します。ちなみに成虫になると何も食べないと考えられています。
問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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