■久万美コレクション展 新たな一歩愛媛現代美術家集団の軌跡-2
高階重紀、岡本鉄四郎、三輪田俊助ら画家たちによって結成された愛媛現代美術家集団(通称・現美)。1965年に開催された第1回展覧会の来賓には、現代画廊(銀座)の経営者であり、当館ともゆかりの深い美術評論家の洲之内徹らが出席しました。
洲之内は当時の愛媛新聞にて「このグループの発足にともなって、当然起こりそうな、県展との間のいざこざが気になる」と残しています。というのも、戦前の洲之内は高階や岡本らと共に、反県展・反アカデミズムを主張する青年美術家集団を発足し、県展の中心人物である画家・藤谷庸夫と論争(いざこざ)を繰り広げたことがあるのです。
かつてのように反発し合うと思われた現美と県展ですが、両者の関係は穏やかなものでした。県展が具象絵画を取り扱うのに対し、現美は抽象表現を志向することで、両者はうまく共存していたのです。
本展では、高階ら現美の中心人物の作品や、設立初期のメンバーによる作品に加え、かつて青年美術家集団に属していた作家の作品を展示しています。 (本田)
▽学芸員のつぶやき
第1回現美展の来賓には、洲之内のほかに、松山出身のシナリオライター・坂本忠士という人物が参加していました。
問合せ:久万美術館
【電話】21‒2881【HP】http://www.kumakogen.jp/site/muse/
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